答え(ネタばれ)

※一応これからも質問は受け続けます。自力で解きたい人は見ないように注意


正解者:八幡西県研究室さん










 連休前ということで中村は仕事終わりに飲み会に参加した。その帰り、何の変哲もない普通の路地を少し千鳥足で歩いていると、中村の後ろから走ってきた車が横で止まり、男が顔を出した。


「すいません。この近くに無人のATMとかありませんか?」

「……はい?」

「無ければ宝石店とかでも良いんですけど。最悪銀行でも」

「……」


 彼自身にも、彼の乗っている大型のバンも(中は見えないが)怪しい所は一切無い。だが今は23時過ぎ。どう考えてもおかしい。とはいえ、彼が良からぬ事をしようとしている確証は無いし、正直関わりたくない。もう眠いし。

 そこで中村は交番に近く、袋小路になっている場所を彼に教えた。


「~から~に行くと一軒あります。かなり目立たない所にあるので、そこに着いたら時間を掛けてよーく探してください」

「ありがとうございます。その方が都合が良いです。いやー助かりました。この辺来るの初めてなんで」


 喜ぶ男に中村は思わず聞いた。


「家の近くに無かったんですか?」

「はは、さすがに家の近くだと疑われ…おっと、なんでもないです、じゃあ!」

「……」


 男が礼を言って車で去った後、中村はすかさず警察に今の出来事と、男をどこへ誘導したかを伝え、そのまま家に帰って寝た。

 後日中村は警察から、窃盗事件を未然に防いだという事で感謝状を貰った。


ちなみに未遂なのに逮捕できたのは、警官に追い詰められたプレッシャーで勝手に自白したんだとか。

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噓つきは称賛の始まり レイノール斉藤 @raynord_saitou

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