(二)-22

「社長に、そういう話をあなたからされた、と聞いています」

「世の中にはそういうことをする人もいる、ということを話しただけだ」

「しかし、計画は知っていましたよね」

 木野はダブルのスーツの内ポケットからタバコとライターを取り出した。「失礼」と一言断った後、タバコを一本くわえて火を付けた。大きく煙を吸った後、運転席の窓を開けながら窓の外へ煙を長く吐き出した。

「その上で、実行犯役を一人送り込んだ」

 豊永は紫煙の先にもう一発、言葉の一撃を入れた。


(続く)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る