第9話 魅惑の……
「フフフフ。
キミたちが女王猫と言うメスの子たちかい」
キングと呼ばれる猫がわたしとリリーちゃんを見てるの。
全身が茶色と白で毛のにゃがーい猫。
特に首から胸にかけての毛はモッサモサよ。
リリーちゃんがアゴヒゲと言ってたのはコレね。
確かに首から下がモッサモサでアゴヒゲ風に見えにゃくもにゃいわね
周りの猫たちが騒ぐの。
「ニャんて魅惑の毛並みニャのニャ。
さすが、キング!」
「あのモッサモサの毛。
まさに王者の貫禄ニャのニャ」
そんにゃものかしら。
体格自体大柄でさらに毛がモッサモサにゃ猫。
フカフカとしていそうで、わたしが人間の身体だったら、抱いてみたくはにゃるけれど。
リリーちゃんまでキングに少し見惚れてるの。
「フッカフカの毛並み、いいわー。
胸の中に飛び込んでみたくニャっちゃう~
はっ!
ダメよ。
アタシは虎タル一途ニャの」
「むう、男の俺でもあのセクシーさと魅力にはクラクラくるぜ。
リリーが見惚れるのもトーゼン。
あのキングのみゃえではさすがのみゃー様もどうニャるか」
にゃぜか、グレイさんまで見惚れてるわ。
わたしの感覚が少しおかしいのかしら。
「むっ、そこの黒猫のキミ。
キミはみゃだ、私の魅力が良く分かっていニャいようだね。
ニャらば。
私にはまだ更ニャる魅力があるのだよ。
フフフフ。
これを見たなら、キミとて私に屈せざるを得みゃい」
「キター、キング様の最大の魅力」
「我らがキング様に従わざるを得ない無敵の一品」
「ああっ、これでみゃす。
これで俺もキング様の虜になってしまったんでみゃす」
周囲の猫とグレイさんが騒ぐ。
にゃんにゃの、にゃんにゃの?!
「むっふーーーんん」
キングが体をひるがえすの。
背中とシッポが私たちに見える。
キングは長毛の猫にゃんだけど、シッポまで毛が長いのね。
それが膨らんでいて、ふっくらファサファサした可愛いシッポがうねるのよ。
にゃんだか体がウズウズしちゃう。
猫じゃらしみたい。
わたしは飛び掛かりたい気持ちでいっぱい。
猫の本能ね。
ハッとわたしが我に返って、あたりを見ると。
周り中の猫がみんな夢中ににゃって、シッポをにゃがめてるの。
キングの部下の猫たちはモチロン。
グレイさんも目がシッポにつられて泳いでいて、今にも飛び掛かりそう。
リリーちゃんまでシッポの動きに夢中ににゃってる。
その目がハートマークににゃってるの。
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