第40話時点でのウンチク

「はーい、ステュティラちゃんよ」


「ファオランでス」


「……ファオランさん、そのチャイニャドレスから長く伸びた足……

 カッコ良すぎてムカツクわ~」


「……ステュティラちゃん。

 本人を目の前にムカツクとか言わない方がイイヨ」


「そのカタコト!

 それも気になる~。

 そのカタコトが可愛いって、護衛団の男どもがヤニ下がってんの。

 アンタ、ワザとやってない?」


「ワザとチガウ。

 ホントにペルーニャ語の発音に慣れて無いダケネ」


「イマ、ニヤっと笑ったわ。

 見逃さなかったんだから。

 やっぱワザとね」


「……チ、チガウヨ。

 読者の方に、誰のセリフか、パッと分かるように。

 キャラ立てってモノなのネ」


「……!……!……

 アタシが甘かったわ!

 狙ってたのは……護衛団のヤローなんかじゃ無くて、読者人気だったのね」


「気付くのがちょっと遅いネ」



さて、エステルちゃんや私ファオランも含めた一行は大河ザーヤンテに辿り着いた。

話も佳境だけど、ここで少し振り返ってみるヨ。



〇 登場人物


エステル

12歳の少女、護衛団の戦士見習い。

砂船乗りシンドバットにも憧れている。

得意技はルドラ神の加護による風の魔法。

白い肌でスッゴイ美少女ネ。

ワタシと同じネコ好きで気が合うヨ。


ステュティラ

エステルと同時に入団した戦士見習い。

得意技は剣技。

幼い頃から武術道場をやっている父親に剣を叩きこまれて来たらしいネ。

ハッキリ物を言ってくれる、付き合い易い良い娘なんダケド。

ハッキリ言い過ぎるのも問題ネ。


ファオラン

ワタシよ。

16歳の商人見習い。

得意技は功夫カンフー

チャイニャでは武術ウーシューとも呼ばれて、これは武器の使い方も含めた本気の戦闘術なのネ。

ワタシが習ってるのは美容や健康も視野に入れたスポーツ兼、護身術。

ワタシ美少女ナノヨ。

旅商人をするなら、護身術は必須ヨ。


ライール

エステルの父親。

ベテランの砂船乗りシンドバット

さすがに船の扱いには長けてるヨ。

金髪の男の人。

ワタシ、金髪って見慣れてナイ。

鼻筋も高いハンサムだし、少し緊張シチャウ。


エラティ

護衛団1番隊隊長ナンダッテ。

やたら身軽で素早い身のこなし。

見た目は笑顔の可愛い美少年ネ。

ワタシと同じくらいの年頃かと思ったケド……

隊長ってコトは年上ナノヨネ。


イルファン

護衛団3番隊隊長。

すぐ部屋の隅に隠れようとするヘンな男の人ヨ。

黒服を脱がしてみたら、意外とスポーツマン風の爽やかな男。

天井に貼りついたりするヘンなクセを無くせばイケメンだと思うノニ。

モッタイナイヨ。


ナシール

護衛団の副団長。

吊り上がった目が怖いケド。

なかなかのハンサム、イケメンネ。


アザム

護衛団の団長。

クマさんみたいな体格。

イケメンじゃないけど、人はヨサソウ。


みゃー

黒猫ヨ。

エステルちゃんは『みゃー』って呼ぶし、ステュティラちゃんは『男爵』って呼んでるワ。

確かに気品あって『男爵』って呼ぶのが似合いソウ。


リリー

ワタシの家族の白猫。

可愛さでは男爵に負けてナイと思うヨ。

行方不明になって、困ってたんダケド。

エラティさんが見つけてくれたノ。


太った虎猫。

アンマリ大きい猫って可愛くないワヨネ。

でもリリーが懐いてるみたい。

リリーがお世話になったなら邪険にも出来ないネ。

……『虎タル』って名前ナノ。

そんなのワタシ人間だから知らないワ。

あだ名もアンマリ可愛くないノネ。


ザッハーク

蛇王と呼ばれるペルーニャの皇帝。

その昔、ペルーニャにはジャムシードという暴君がいたらしいワ。

その暴君を倒してペルーニャ解放した皇帝。

……なんだけど今では本人が残酷な王様にナッチャッタ。

ミイラ取りがミイラになるってヤツネ。




〇 地名


ホルムス

自由交易都市。

ペルーニャに近い自治領ネ。

各地の色んな物が揃うし、治安も良いから多数の人が訪れるノ。


エスファハーン

ペルーニャ帝国の大きい都。

ザッハーク皇帝の夏の宮でもあるらしいワ。

ワタシ、まだ行ったコト無いから良く分からナイ。

でも栄えてるソウヨ、楽しみネ。


大河ザーヤンテ

ザクロス山脈からガーヴフーニーの湖まで流れる大きな川。

その川沿いに栄えた都がエスファハーンナンダッテ。




〇 魔物ダェーヴァ


パピルザク

大きいサソリのバケモノネ。

見た目通り皮膚は固いヨ。

【メソポタミア神話における最高神エンリルの子供。蠍の尾を持つ半人半馬の姿で描かれる事もある】



「今回はそんなトコかしらネ」


「……フーン(モグモグ)

 大分、固有名詞が増えて来たじゃないの(モグモグ)」


「ああッ、ピスタチオ!

 わたしの分も……

 全部食べちゃったのね、ひどいわ!」


「……ホラ、やっぱり!

 カタコトじゃ無くなってる。

 話を聞いてれば、イケメンにこだわってるし。

 やっぱ男ウケ狙いなんだ」


「話をそらして逃げようとしないの!

 ステュティラちゃん、年上として言わせて貰うわ。

 ハッキリ言うのは貴方の良い処でも有るけれど、

 いくら何でも周りに対する配慮が足りないわよ。

 もう12歳を越えたら、成人はして無くても半社会人なのよ。

 考えなくちゃいけないわ」


「……!……

 な、なんでお説教だけ、そんな流暢になるのよー!」


「ほらまた、話をすり替えて逃げようとする。

 お姉さん、そう言うの嫌いよ」


「ちょっと、ちょっと。

 助けて―!

 エステルー!!」

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