第58話 チャール・アイナ
わたしの横を歩く護衛団の戦士たち。
背を超える長さの槍を揃いで持って、赤いターバンを巻いた男たち。
防具や服は人それぞれみたいね。
「お前ブリガンディンか」
「そっちは
ふーん。
ブリガンディンと言うのはキルティングのような布の服に金属プレートを幾つも鋲うちして防御力を上げたモノね。
わたしが戦士の鎧と言うとパッと思い浮かぶ鉄の甲冑を着た人はいにゃいわ。
重いからかしら。
「なんか不安だよな、鉄の鎧を着こんだ方が安心するんだがな」
「お前、砂の国にまだ慣れてねーな。
やめとけよ、鉄の鎧なんか着こんで砂漠や
あっという間に陽射しで鉄が熱を持っちまう。
熱さでヤケドしちまうぜ」
不安と言っていたのは黒い肌の人。
この砂の国に多い、浅黒い肌とは少し違う。
多分南方からやってきたのね。
にゃるほど。
日本でも真夏に陽射しを受けてたら鉄製品なんて、アツアツににゃっちゃう。
この砂の国の陽射しにゃらにゃおさらね。
おっと。
羽音が聞こえるわ。
このイヤな羽音。
小柄な人間くらいのサイズは有る蜂の
ヴァウーザカじゃにゃいかしら。
わぁんわぁぁぁんと音を上げ、飛ぶヴァウーザカ。
自分達の領域へ入り込んで来た人間を威嚇してるのね。
「出たっ!」
「ヴァウーザカだ!」
「刺されるな!」
「毒が有るぞ!」
護衛団の戦士達は騒いではいるモノの、落ち着いて対応してる。
近付く蜂の
盾で受け流しつつ、槍で反撃してるわ。
後方にいた弓兵が放った矢がヴァウーザカの胴体に刺さる。
動きの鈍ったデッカイ蜂を大勢の槍が貫くの。
さすがプロの戦士が数人がかり。
危にゃげがにゃいわ。
「アルミラージもたくさんいると聞いたけど、出ないじゃないか」
「アイツラ、用心深いからな」
「こんな人数がいたら隠れちまうんだ」
「人数少ないヤツや、弱そうな子供を見たら襲うんだからタチが悪いぜ」
そうにゃの。
弱そうにゃ子供をみたら、襲うの?
見逃してあげようかと思ったけど。
わたしは繁みに隠れてたヤツをみゃーんと猫キック。
角の有る兎が蹴りだされて宙を飛ぶの。
「うわっ。アルミラージだ!」
「なんだ、コイツ?
飛び掛かって来たのかと思ったら、目を回してるじゃないか」
トドメは戦士たちにお任せ。
わたしは先を急ぎましょ。
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