第15話 護る仕事
「トーヤーさん……
何故、ご老人のふりを?」
「騙すつもりではなかった。
これも試験の一つと思って欲しい」
エステルちゃんは困惑した表情を浮かべてるの。
そりゃそうよね。
お婆ちゃんと思って肩を貸していた人物が若い女性だったんですもの。
トーヤーとにゃのった女性はキリっとした顔立ち。
戦士の証、真っ赤なターバンを巻いて、細く編んだ長い髪がターバンから覗いているわ。
髪を中ほどで編み込んでいるのね。
日焼けしているけど元はあまり黒くなかったんじゃないかしらと思わせる肌の色。
この人、ミャンゴールの人かしら。
この砂の国では髪を編み込む人はあまり見かけないわ。
ミャンゴールから来た人や、チャイニャから来た人に多い髪型ね。
「試験ですか?」
「そうだ。
我々は護衛団だ。
戦うだけが仕事なのではない。
街の人達を護る事が仕事だ。
腕っぷしが強いだけの人物を求めるているのじゃない。
人びとを助けようと言う気持ちがキミにあるかを試させてもらったのだよ」
ホントかしら。
エステルちゃんはにゃっ得して、うんうんとうにゃずいてる。
トーヤー隊長は真面目な顔で語ってるけど。
にゃんだか嘘っぽいわ。
ただの変装好きの変にゃ人じゃにゃいの。
ステュティラちゃんに付いてたアレシュ青年は変装にゃんかしてにゃかったわよ。
トーヤー隊長は説明しにゃがらも歩いて行く。
ヴァウーザカ、大きなハチの
自分が矢で落とした
「このクロウボウは持ち運びや隠しておくのに便利なんだが。
小さい分攻撃力も低いんだ」
「エステルくん。
あのヴァウーザカはキミがトドメを刺せ」
トーヤーさんが指差すのはわたしが落としたダェーヴァね。
「はい、トーヤー隊長」
エステルちゃんも今回はためらわにゃいわ。
そうよね。
わたしだってウサギを殺せと言われたら嫌だけど。
ハチに殺虫剤を振りかけるのに抵抗はにゃいわ。
「にしても、このヴァウーザカはどうしたんだ?
いきなり何かぶつかって落ちたみたいに見えたぞ。
エステルくん、キミのルドラ神の加護かい?」
「いえ、ああでも、そうなのかしら。
ルドラの力を呼び出していると、身体の周りに風が吹きますから。
ひょっとしてその影響なのかもしれません。
まだ加護を受けて数ヶ月なので自分でも良く分からないです」
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