第3話①
、 、 、 、 、 。
数日後の放課後、私は机の前に座っていた。
目の前にはもちろん、ニコニコ笑顔で椅子に陣取っているユズが居る。
(どーしてこーなった?!行動早すぎでしょ!?てゆーか、心の準備とかまだ全然出来てないよ…)
なんて思っていてもユズが逃してくれる訳は無い。うん、知ってた。
困った様(むしろ諦めてって訴えてるよう)に笑うエミも机の前に座っている所を見ると、どうやらこの三人で私の初めてのこっくりさんが行われるようだ。
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「あの…、マユユ…、放課後時間ある……?」
恐る恐るといった風に私を覗き込むようにして上目遣いでユズがいきなり切り出した。
「急にどしたの?」
椅子に座っていた私は目の前に指と顔だけ出して机の前に居るユズを見つめた
(私より背の高いユズが上目遣いしてくるなんて何かあったのかな?)
「あのね、大事な話が有るんだ。だから待ってても……良い?」
なんて可愛く小首を傾けて言われてしまえば断る訳が無い。可愛いは正義です。
「良いよ。部活も無いし時間あるよ。」と答えた瞬間。
ガバッと大きく手を上げバンザイしながら言った。
「やったー♪言質取ったもんねー♪」
その勢いのまま立ち上がりバンザイしたままクルクルと回るユズ。
(……え?)
先程までの天使の微笑みは何処へやら、悪魔の微笑みに変わっていたのは言うまでもない。もうただひたすらに嫌な予感しかしない。
大体あんな言い方ずるいと思う。
もし私が男の子だったら絶対に告白と勘違いすると思う。
いや、絶対するわ、マジで。
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話が逸れてしまったが、これから三人でこっくりさんを行う訳です。はい。
それでは材料の説明に参りましょう。
まずは1、紙。(これ毎回毎回手書きなの凄いと思う。尊敬するわ。)よーし。
2、十円玉。(これも毎回準備するの凄いと思う。尊け……以下略)よーし。
3、参加者。私とユズと(今回巻き込まれた)エミ。よーし。
無駄に変なテンションにでもしないと緊張してしまってもう帰りたい。
何かもう本当に帰りたい、手汗凄いし。
「マユユ落ち着いてー。」
「マユちゃん、落ち着こう?ほら深呼吸。」
すーはーと数回深呼吸し、自分の胸に手を当てて目を閉じる。
(落ち着け、落ち着けー。)
「大丈夫、変なこと起こらないから、安心して。」
自信満々に笑顔でユズが言う。
ユズの笑顔やエミの顔を見ながらもう一度深呼吸をする。
(あ、何か落ち着いてきたかも。)
いつも通りのユズとエミに安心したからか、変に緊張していたのが和らいできた。
「それじゃぁ、始めよっか。」
ユズの声にもう一度深く深呼吸をし、私は机の上に置かれた紙とその上の十円玉に視線をやり、手を伸ばし人差し指をゆっくりと十円玉の上に置いた。
こっくりさん?こっくりさん! 遊真野 蜜柑(ゆまの みかん) @yukiusa09
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