第2話②
「ミホがヤダじゃなくて帰って!ってちょっと大声出したらヤダって往復してたのが急に違う言葉に移動して……今度はしねってずっと往復しだしてめっちゃ怖かった。」
私は素直に思った通りに話した。
「大声にびっくりしたか、霊を怒らせたかしたんだね。」
冷静にユズが答えを出してくれる。
「でも、帰って下さいにはいいえって答えてたし勝手にヤダって動き出すしでもう皆プチパニックだったよ。」
昨日の事を思い出すだけでもちょっとまだ怖いんだよね…。
ユズが少し考えてから口を開いた。
「何か気に触る事聞いたとか、変な事聞いたとかあった?」
ユズの言葉を聞き、少し思い出す為に考えていると、1つの質問の後からおかしくなった事に気付いたので恐る恐る言ってみる。
「もしかしてさ…、あなたは誰ですか?って質問ってよろしくないやつだったりする?」
ユズの顔色を伺いながらそぉっと言ってみると「あ~、それが原因かもね〜」とすぐに返ってくる。
「誰って聞くのってあんまり良くないんだよね、ユズ」
ユズを見ながらエミも問いかける。
「あんまり良くないね。その時は誰って答えたの?」
「確か……きつねって答えてたよ。」
記憶を頼りに考えてから私は答える。
「う〜ん、じゃぁ大丈夫だと思うけど、途中で変わっちゃったりしちゃったのかもね〜、分かんないけど。」
「そう、分かんないんだよねぇ。」
真面目そうな顔から一転して、笑顔であっけらかんと告げるユズに私も分からないと匙を投げた。
「皆プチパニックで泣き出しそうで困ってて、モノは試しにって外野だったけどこっくりさんに何度か止まって!って声かけたら何故か止まってくれて」
「うんうん、それでそれで」
ワクワクしたように先を促すユズへ向けて結末を話した。
「2回位お帰り下さいって言ったら聞いてくれて何とか帰ってくれたんだよー。」
ユズは面白そうに目を細めると新しいオモチャでも見つけたかの様な笑顔で告げてきた。
「じゃぁマユユと波長が合ったんだね。多分、マユユが参加者になったら全部動くと思うよ。」
「………まじ?」
「多分、ね♪」
(ユズが恐い事サラッと笑顔で言い出したよ…)
(でもやってみたいって思うのと何か面白そうって思っちゃってるから多分その内やるんだろうなぁ)
私の心の葛藤を見抜いているかの様にすかさずエミが口を開く。
「じゃぁ、今度私達とやってみよっか?」
ユズとの会話を優しく見守っててくれたエミが誘ってくれる。
(ユズが居れば大丈夫かな、慣れてるし)
私は「じゃぁ、今度ね。」と軽く返事をして二人と別れ、残り少ない休み時間の目的の読書(ダレンさん)を満喫する事にした。
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