第2話①

昼休みになり、いつもの様に図書室へ向かう。

(ポッターとかシャンとか読みたいのあるんだよねー)

何なら歴史という名目で漫画も置いてある図書室はちょっとしたオアシスだ。


図書室に行くと数人が静かに座って本を読んでいた。

入り口からは見えない影になった奥まった所で隠れる様に最近良く見る二つの影を見付け私は静かに近づき声をかけるか一瞬迷う。


影に隠れてるからか仲の良いユズとエミがこっそりとこっくりさんをやっていた。


小さな声で二人へと声をかける。

「ちょいと見ててもいい?」

「大丈夫〜。」

「どうぞ〜でも今終わる所だよ。」


どうやらもう終わる所だったらしく「ありがとうございました。」と二人で声をかけ手を離してこちらを向いてくれる。


「どうしたの?何かあった?」

「昨日、ミホちゃん達の見てたよね〜、何なに?やりたくなった?」

エミは冷静にユズは少しだけ茶化す様な言い方で聞いてきた。


この二人には昨日みたいな事があったか聞いてみても怖がる事は無いと思い聞いてみる事にした。


「あのね、二人はさ、こっくりさんやってて中々帰ってくれない時ってあった?十円玉が質問してないのに勝手に動いたりとかさ…」


恐る恐る聞きながら二人の顔を見比べれば二人共キョトンというような顔をしていた。


「無いよ?だって毎回同じコが来てくれるし」

先に答えてきたのはユズだ。

自称霊感少女でもあるユズは自信満々に無いと言い切る。


「んー…私も無いかなぁ。やる時はユズやカオリちゃんとばかりだし、ユズはあの調子だしね。」

少し考えてからエミも答えてくれた。

「だよねぇ、私も見た事なかったし……」


エミの返答を聞き、少しだけ考え込んでしまった。

(この二人の時は昨日みたいなのは無いのか。じゃぁやっぱりアレは偶然だったのかな?)


うーん…と目を閉じ首を少し捻りながら考えているとユズが声をかけてくる。


「マユユ〜、昨日の放課後何かあったんだよね?朝、教室来たら空気悪いっていうか淀んでる感じだったからビックリした。」

何となく昨日の出来事に気付きながらも優しく問いかけてくれる。


「私は見てたんだけど、実は昨日途中から教室の中が何となく寒く感じて…それから終わる時にお帰り下さいって言っても鳥居に行かないで勝手に動き出してヤダって往復してて中々帰ってくれなかったんだよね……それに……」


私はここで口ごもってしまった。

その後の動きは中々に恐怖だったからだ。

思い出すと背中がゾワゾワする。

そもそもどうしてあぁなったのかも分からないし……。


二人は静かに聞いてくれていたがユズが「他にも何かあるんだよね?」と続きを促してきたので私は話す事を決めた。

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