第28話 これからもずっと
みずきさんは必ず図書室にいる。
僕は僕で、校内では花壇やプランターの花たちの世話をする。
初めてみずきさんを見つけた時はどんな子だろう?と思っていた。
実際に会うと、可愛らしい女の子だった。
僕よりも頭は賢くて、でも天然な部分がちらっとあって。
1人にさせると危ない雰囲気があるから、出会ってからは図書室に行ける時は必ず行った。
いつの間にか、みずきさんの顔を見ない日はなくなった。
みずきさんに友達が出来た時は嬉しかったし、教室に来た時の感動は忘れない。
相談会は不定期で開いているらしく、今は恋愛相談を中心に勉強に関する事を教えているらしい。
恋人になってからも変わらずのペースで進んでいる。
『どこまでいった?順調?』
順調は順調と言って、どこまでいった?は、いやらしく感じるから返答はしない。
でも、心配なんだろう。
僕がぼーっとしてるから。
頼りにならない感じはするよね。
自分でも分かってる。
でも、もう大丈夫。
互いの秘密を打ち明け合ったから。
これを機に、少しだけ成長は出来たような気がしてる。
僕はみずきさんのペースに合わせて、これからも歩いてく。
何かあったら必ず守る、そう決めた。
こんな僕の事を好きになってくれて、ありがとう。
※
受験日以来、会えなかった人に再会出来た時は驚いた。
聞き入ってしまう優しい声。
あの時の男の子。
再会した時は、いつでも鉛筆と消しゴムを返せるように鞄に入れてあったけど、その時に返せなかった。
いや、返さなかった。
返したら、もう会えないと思ってしまったから。
名前は
いつも何を考えているのか分からない、ぼーっとしている男の子。
頼りになる時もあるけれど、基本的にならないかな。
でも、優しくて花が大好きな所が素敵な所。
弦大君と話している内に、優愛ちゃんと
相談会を始めてからは、やっと人への恐怖心が和らいで、スムーズに会話が出来るようになって嬉しかった。
お陰で、両親と商業施設へ行っても、大勢の人がいる環境が平気になった。
いろんな事を1つ1つ克服出来た事は、弦大君のおかげ。
感謝しかない。
恋人になってからも変わらず。
互いの秘密を打ち明け合っても変わらず。
でも成長は出来たかなと思う。
こんな私の事を好きになってくれて、ありがとう。
早く私の事を、みずきって呼んでほしいなぁ。
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