第17話 2人でお礼を

 僕とみずきさんは、僕達のすれ違いを解決してくれた優愛ゆめさとしへのお礼をしている。

 何故か僕の家で。

「やっぱり弦大げんたの家は良い」

「確かにな!」

「ここでのお礼とか最高ー!」

「ただ僕の家が居心地良いだけでしょ」

 2人とも寛ぎ過ぎ。

「はーい、優愛ちゃんに弓河ゆみかわ君!」

「「おー!」」

 みずきさんが持って来たのは、ホールケーキ。

 生クリームたっぷり、苺が贅沢にある。

 シンプルな苺のケーキである。

「弦大君のおばあちゃんと弦姫ゆずきちゃんと作ったの!どうぞー!」

「みずき、ありがとう!」

「ありがとうありがとう!」

 ケーキを切り分けて皿に乗せる。

 全員に行き渡った所で。

「いただきまーす!」

 と、聡が先陣を切って食べると、みんなも「いただきます」と言って食べ始めた。

「美味い!美味いぞ!」

 と聡。

「うー美味しいー!」

 と優愛。

「みずきちゃん、やったね♪」

 と弦姫。

 祖父母も「美味しい」と言って食べている。

「うん、美味いね」

「うん、美味しい♪」

 僕もみずきさんも美味しくケーキを頂いた。

「こんなお礼でごめんね」

 申し訳なさそうな表情のみずきさん。

「これで良いの!嬉しいからね!」

 優愛はみずきさんの頭を撫でる。

「物だと反応に困る時あるから、美味しいのが良いな!」

 聡はただ食いしん坊なだけだろう。

 でもそう。実用的な物を考えていたが、みずきさんがお菓子作りが趣味との事で、僕はそれに賭けた。

 大正解でした、良かった良かった。

「来年の文化祭はみずきのお菓子店にすれば大盛況間違いなし♪」

「おっ!良いね良いね!」

「おい、同じクラスにならなきゃ出来ないでしょ」

「つまんない事言わないの弦大!」

 優愛にピシャリと怒られた。

「寒くないかね?ココア飲んでいきんしゃい」

 おじいちゃんがココアの入ったマグカップを持って来た。

「「「ありがとうございます」」」

 みんなでゆっくりココアを飲んだ。

 はぁ・・・沁みる。温まる。


「「「ありがとうございました!」」」

「また遊びに来てねー!」

「待っとるよ!」

 嬉しそうな祖父母に感謝。

「また来てねー♪」

「「「お邪魔しました!」」」

 3人仲良く帰って行った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る