第10話 あとから理解
「では、どうぞ」
僕とみずきさんと皆川さんは、緊張感ある図書室にいた。
「はい、あの後どうなったかと言うと」
ドキドキ、ドキドキ・・・
「我慢したら向こうから連絡きました!嬉しかったです!」
「おおー」
「やったね!」
出だし良いね。
「それから向こうから連絡くるようになって♪」
へぇー。
「毎日ニヤニヤしてます!」
幸せそうな顔をする皆川さん。
「なるほど・・・」
あれ?
「みずきさん、どうした?」
「あっ、いや、なんというか」
みずきさんは少しもごもごした後。
「なんか・・・心変わりが気になって」
ん?
「皆川さんに黙って私、3年生の教室を覗いたの」
だ、大胆!
「言っていた通りの、見た目がちょっとチャラかった」
行動力がついてきたなー、成長してますなー。
「休み時間に、私じゃなくて、友達に頼んで、その人の人柄の情報を収集してもらって」
友達?そういえば、
「それでね、なんというか・・・」
不穏な感じ。
「単刀直入に言うと、止めた方が良い」
そうなんだ・・・。
「どうしてですか?」
「“友達”なら良いけど、“恋仲”は進めない」
はっきりとみずきさんは言った。
「理由は?」
みずきさんは深呼吸をしてから言った。
「言うこと聞くような子に近づいて手を出したら終わり、そんな人だと聞いたの」
皆川さんはどんどんと泣きそうな顔に。
「そんな人には」
「優しいフリしてとんでもない人だよ」
諭すようにみずきさんは言う。
分かって欲しくて、傷ついて欲しくないから。
「でも・・・明日、その人の家に遊びに行くんです・・・」
「「!?」」
これは大変だ!
「まずは今断ろう」
「なんて?」
「用事とか!」
早速、断りの連絡をした。
すると秒で返信が来た。
「秒はやっぱり、やり手かも」
「女の子みんなにそうなのかなー」
女好きの気持ちは分からん。
「なんか凄いです・・・」
画面を見ると。
『なんで?』『どうして?』『急だね?』
『嘘でしょ?』『俺よりもそっち大事?』
しつこい。
「これは大変だなー」
「
「誰に?」
「優愛ちゃんに!」
あー、ならなんとか解決出来そう。
※
「お待たせー♪」
風紀委員の仕事でまだいた優愛。
「あのクソ男に鉄槌を!」
なんか面白がってません?
「あなたが皆川さんね!私は
「よろしくお願いします!」
皆川さん、優愛に若干ビビってません?
「んで、明日なんでしょ?会うの?」
「はい」
「まず皆川さん、目を覚ましなさい」
ごもっとも。
「あなたがしっかりすれば、明日の事は怖くない」
優愛が、優愛が・・・まとも。
「弦大?」
優愛が僕の事を睨む。
「すみません」
直ぐ謝った。何で僕の心を読めるの?
「・・・小園先輩・・・私・・・」
「うん」
俯いていた皆川さんは顔を上げた。
「やっつけたいです!」
そこに迷いはなかった。
「よし!決まり♪」
僕達は明日の事を話し合った。
どうなることやら。
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