第7話 絶望がはじまる

ドックン。

ドックンドックン。


心音が響く。


「はぁはぁはぁ」


息が漏れる。

女が恐怖で怯えている。

男はその表情が性的対象になる。


男は思わず顔がにやける。


「殺さないで」


女が涙目で訴える。


「はははっはははは!」


男は笑う。


「なんでもするから!」


女が必死で命を繋ごうとする。


「なんでもする?」


「うんうんうんうんうん!」


女が首を縦に振る。


「えー、どうしようかな。

 パンツは撮ったでしょ。

 パンツは撮ったでしょ。

 パンツは撮ったでしょ」


男が嬉しそうに言う。


「パンツよりいいものあるよ」


女がそういった。

男の笑顔が消える。


「パンツよりいいもの?」


「うん、ほらエッチしよ!」


女は命を繋ごうとそういってしまった。


「なんなんだよ。

 そこまでして生きたいの?」


「え?」


男の表情に女は恐怖する。

男の表情があまりにもなかったから。

まさに無表情。

これが無表情。

女はなんとか場をつなごうと男の手を握りしめ。

自分の胸を男の手に当てる。


「っん……」


女は男に興味を惹こうとして声を出す。

色っぽい声を。


男は夢中で揉んだ。


「で?」


男はすぐにそれに飽きた。


「え?」


男の言葉に女はどうしていいかわからない。


「これで終わり?殺していい?」


「いやいやいやいや。

 まだ終わりじゃないよ」


女は服を脱ぐ。


「ほら、ブラの上からも柔らかいよ」


「うん」


男は夢中で揉む。


「こうすればもっと柔らかいよ」


女はブラジャーを外す。


「うん」


女はスカートを脱いだ。


「ほら、このパンツかわいいでしょ?

 お気に入りなんだ」


「うん」


男はじっと女のショーツを見ている。

もしかしたら生きれるかも知れない。

そう思ってショーツを脱いだ。


「あ……」


男は声を上げる。

女の希望は確信へと変わる。


「ほら、エッチしよ」


生きれる、助かる。

明日死ぬかも知れないけど今日は生きれる。

今日生きれたら明日も生きれるかも知れない。


そう思った。

そう確信した。


「脱いだらパンツだね」


もしかしたらセックスしないでショーツを差し出せば生きれるかも知れない。


女の鼓動が早くなる。


そう思っていた。

そう感じていた。


男の次の言葉に女の確信は絶望へと変わる。


「じゃ、君はいらない」


「え?」


男がスタンガンを女の体に当てる。


「びりびりびりびりー」


男はそう言いながらスタンガンのスイッチを入れる。


「きゃ……」


女が悲鳴をあげる。


「知ってる?市販のスタガンで気絶はしないんだよ」


「え?」


女は驚く。

なにが起きているかわからない。


「つまり永遠に苦しみを与えれるんだ」


男は、そういってスタンガンのスイッチを入れては消して。

入れては消してと続けた。

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