第2話 本当の目的
ゲームは始まりを迎えた。30分経ったがまだだれも告発は行っていない。誰かが接触しているのを伺っているのだろうか。
路地裏では音が聞こえた。寄ってみる。アリスが攻撃を受けていた。止めなければ。
「何をやっているんですか」
すると二人のアリスに暴力を出していた人物は逃げて行った。ゲームではあるもののアリスにはいじめっ子から逃げるハンデがある。
「大丈夫?」
「問題ないよ、携帯は守り切ったことだからね」
「一緒に行動しますか?」
「それが君の作戦かい?」
「いえ、ただ単に危ないので一緒に行動したほうがいいと思いまして」
「今はゲーム中さ、本気のゲームをしよう」
それだけ言うとアリスは去って行ってしまった。
数分後、携帯が鳴る。光からだ。アリスと未来は共通者。アリスと未来が一緒にいるところを見られてしまったのだろうか。この返答にアリスと未来は本当のことを答えなければならない。
未来はいいえを選択した。これにより光陣営とアリス陣営は一ポイント入手した。
光は都会気分を満喫していると明智と遭遇した。
「おう、お前は明智だったよな」
「お久しぶりになるんですかね光さん」
「そうだな、まさかゲームに参加させられるとは思わなかったけどな」
「お互い頑張りましょう」
「おう、もちろんだぜ」
数分後、未来からグループにチャットだ。明智と光は共通者。光は嘘を吐くのはいけないルールなのでいいえと答えた。
その光景を見ていたアリス。
「どうやら光は未来、未来は光を警戒しているようだね。いつか協力者がわかる、ここは光や未来たちに任せて僕たちは追放に出てもいいかもしれない。少なくとも光陣営と未来陣営は対立していることが見て取れるね、潰しあってもらおうか」
未来を監視していたアリス。未来は朱音と遭遇していた。
「僕の予想が正しければ未来を潰すために光は動くね」
アリスの予想通りのメッセージが送られてきた。光からだ。朱音と未来は共通者。
その答えにお互いいいえを選択。
光は未来を潰す気満々だ。
眠そうにメッセージを読む天理。
「光さん攻めるなぁ…」
「あ、天理ちゃーん」
「なんださくらか…光さんでも未来でもないのか…」
「未来さんか光さん知らない?」
「私は見てないけど…」
「そっかー、じゃあねー」
「未来と光さん陣営のもう二人は誰だ…」
考えながら天理は携帯を見る。
未来は数分歩いているとさくらと接触した。
「あ、さくらちゃん」
「未来さん、ちょっと上からの指示で顔見に来ました」
「上からの指示?さくらちゃんは配下なのかな」
「会えてよかったですよー失礼しまーす」
それだけ言うと行ってしまった。数分後、またしても光からの告発。未来とさくらは共通者とのこと。完全にロックされている。答えはいいえだ。
続いて未来から会ってもいない光と天理は共通者との連絡。天理はいいえを選択した。未来は完全にやけになっている。
「未来と光さんは勝手に探られるだろうな…」
朱音は考えていた。未来や光を振り回せる人物、黒龍という存在に。朱音は黒龍と光を共通者として告発した。答えはいいえだ。
アリスは考える、新たな打開策を。このゲームは繋がりがわからなくても追放しても良い。
「明智と光が繋がっている可能性が高い、それに追放で防がれればその可能性は大きく出る、他のチームにも協力してもらいたいところだ、協力申請は禁止行為じゃないからね」
アリスは朱音を発見し事情を話す。
「なるほどねー、確かに二度打っても脱落しなかったら限りなく王に近いねー、いいよー、乗った」
アリスと朱音は互いに明智に追放するのだった。しかし、明智は二度も追放阻害。明智は限りなく王に近い人物と証明できた。
明智の追放、未来と光の激闘、天理は気づいてしまった。
「そういうことか、この勝負、今回は勝ち目がないな…」
光は明智に未来と共通者と告発した。しかし答えはいいえだ。続いて容赦なく光は明智を追放するのだった。明智に追放阻害の二ポイントはない。明智は脱落した。明智の配下、天理も同じく脱落し明智陣営は全滅した。
明智陣営(脱落)
王 明智 1ポイント
配下 天理 0ポイント
?? 未来 5ポイント
?? 朱音 0ポイント
?? 黒龍 2ポイント
?? アリス 0ポイント
?? さくら 2ポイント
?? 光 4ポイント
1ポイント=告発。相手が誰と繋がっているか告発する。0ポイントの場合告発できない。外してもポイントは減らないが間違えるとそのチームに1ポイントずつ点数が加算される。
2ポイント=追放。相手一人を追放し、脱落させる。2ポイント以上ある場合のみ使用可能。
-2ポイント=追放阻害。追放に対してのみ有効、2ポイント払い追放を無効にする。お互いに2ポイント消費する。
ここから勝負は一気に蹴りがつく。勝つのは未来か、光か、それとも。
未来が光に共通者と告発、当たりで未来は一ポイントを得た。
そう、未来と光は争っていたわけではなかった。自分の味方を使ってポイントを溜めていたのだ。
そして今回でアリスと朱音はポイントを消費。王は黒龍とさくらになるだろう。
未来はさくらに追放、さくらはポイントを使って阻止をする。
同じく光はさくらに追放、ポイントがないさくらは脱落。相方は朱音だった。
まだお互い3ポイント残っている未来と光。未来は黒龍を追放。ポイントで防ぐ。続いて光の追放。防ぎきれない。黒龍は脱落、配下はアリスだった。勝負は一瞬。
未来陣営
王 未来 1ポイント
配下 光 1ポイント
明智陣営(脱落)
王 明智 1ポイント
配下 天理 0ポイント
さくら陣営(脱落)
王 さくら 0ポイント
配下 朱音 0ポイント
黒龍陣営(脱落)
王 黒龍 0ポイント
配下 アリス 0ポイント
「また僕は負けてしまったのか、まさか味方を利用してポイントを稼いでいたとはね」
「敵同士だと思われているからこそ警戒されないっていう作戦だからな」
「チッ、また負けちまったか」
「何か裏があるところまでは分かったんだけどなー」
「私が行ったのが逆効果だったー」
「今回は天理君も活躍できなかったようだね」
「私がこのゲームのカラクリに気づくのが遅すぎた…」
未来と光には約束通り景品が渡された。
「蟹か、久しぶりにはいいかもしれねぇな」
未来と光は蟹専門店についた。
「言葉通り蟹しかねぇな」
「そうですね」
「こうやってアリスは何度もゲームを作ってるって訳か」
「はい、もう死刑だとかそんな残酷なルールとはかけ離れた平和なルールですよ」
「それ以外の目的もあるような気がしたけどな」
「確かに何かそれ以外にも考えている気はしましたね」
「あたしはむしろそっちが本当の目的だと思ってるぜ?他の奴らにも伝えておいてくれよ、またいつか参加者として会えるかもしれねぇってな」
光と未来はゲームを通しまた仲良くなるのであった。
「今回はあっけなさすぎる展開だった、裏で光が指示していたのだろうね。未来、天理、朱音すら超えるか、だがまた一つさくらは学んだ、学ばせてしまった。悔しいけれど未来と光の圧勝だね、この屈辱をばねにして、僕はもっと先を行く。本当の目的のために、そしてゲームにも勝利していないのだから」
アリスは自分が作ったゲームで天理たちを打ち負かし、本当の目的を達成することができるのか?
完
悟りゲーム 開催編(パート9) @sorano_alice
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