257 巨人兵士(スパルタン)
「オオオオオオオオッ!」
それまで彼女がいた場所に巨大な
「隙だらけなのよっ!」
一気に突進するとアイヴィーは
だが、魔術的に強化された
「おああああアアアアアアアッ!」
「なんなのもうッ!」
必殺に近い斬撃を無力化されたアイヴィーは地面に着地すると軽くステップをして後方へと跳び距離を取る……武器を構えたロランは何度かあの攻撃を受け止めていたが、流石に衝撃に耐えきれないのか躊躇している様子が見える。
「……クリフに頼り過ぎてましたねえ……」
アドリアが
だがクリフという圧倒的な個はこのメンバーの中にあっても異質……まあ、それがいいんですけどね、とアドリアは戦闘中でありながら愛する男の顔を思い返す。
ヒルダと共に
「決定打に欠けますな……」
アドリアの横で
魔法大学で学んだ知識の中に
「一瞬で破壊できるような能力があれば……再生能力が追いつかないくらいの攻撃を与えれば倒せるんですかね……モーガンが切り札として残していたのも頷けますよ」
ロスティラフが何度か矢を発射して
それを見たロスティラフは再び軽く舌打ちをするが、アドリアはこんな状況下にあってもこの
『……それではダメだ、離れなさい』
「えっ?」
いきなり
次の瞬間、上空から凄まじい速度で人影が降ってきたのを全員が呆然とした表情を浮かべてみている……上空から真緑の外套とフードを被った人物が地面へと降り立つ。
その人物の手には金色の紋様が刻まれた
「……あ、あ……」
「な、なに……」
「アイヴィー? ロラン……どうしたんですか?!」
アドリアが二人の様子がおかしいことに気がついて眉を顰める……なんだ? 二人はどんな困難、恐怖を感じても引き下がるような生半可な戦士ではない。
その二人が思わず後退りするような人物なの……? いきなりアドリアの肩にロスティラフの手がそっと置かれるが、その手は小刻みに震えている。
思わずギョッとして彼を見上げると、どんな時でも表情をめったに変えることのない
ローブの人物がフードに隠れた顔をこちらに向けると、そこには男性か女性かもわからないくらい整った口元が見えた。
「……
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