252 沼地の魔女(ウイッチ)
「おーっほっほっほ……よくここまできたな冒険者!」
「えー……ここまできてそう言うキャラかよ……」
彼女の傍には二本の黒い刀身を煌めかせた
「随分汚い格好ではあるが……それでもまあ、お前らがこの王国の冒険者であることには変わりないな?」
「俺の名前はクリフ・ネヴィル……冒険者
「いかにも……私が
「待っていた? 俺を?」
「いかにも……貴方、私と手を組む気はない?」
モーガンは手招きするような仕草で俺に向かって手を伸ばすが、どう言うことだ? 俺は訳がわからないと言う表情で彼女をみるが……急に俺の周囲に一瞬不可視の魔力がたちのぼるが、俺の体に絡みつくといきなりバシッ! と弾き飛ばすような音が巻き起こり、俺は慌てて防御姿勢をとる。
こいつは……
「……
「……話し合いって雰囲気じゃないよな? これは」
俺の言葉にアイヴィーやロラン、仲間たちが一斉に武器を構える……能力が無効化されたことを認識したモーガンは、舌打ちをしながら何か不思議な言葉をつぶやく。
それに呼応して、彼女の背後に控えていた白骨の巨人……いやこの場合は
その姿は大荒野で戦った
「ハハハハッ! 外縁部にいた
雄叫びと共に
「クリフ! モーガンを止めろ!」
「え? って逃げてるぅ?!」
モーガンの方を見ると、魔女は身を翻して走り出しており、小屋へと逃げ込もうとしているところだった……なんて逃げ足が早いんだ……だが、どうやら
「クリフ! 追いかけよう!」
「ああ、逃すわけにはいかない……!」
ヒルダが接近戦用の
身軽な彼女は俺よりも数歩先を駆けていくが、モーガンは小屋の中へと走り込むと、そのまま部屋の中へと姿を消していく……これは? 何か違和感がある……なんとなく嫌な気持ちを感じて俺は一瞬戸惑うが、ヒルダが勢いのまま小屋へと飛び込んだのを見て、仕方なしに小屋の中へと飛び込む。
「ま、待て! なんかおかしい……ああ、くそっ!」
「……何?! 何か……おかしい?」
モーガンを追いかけてクリフとヒルダが小屋の中へと飛び込むのと同時に、あたり一体に軽い振動と強い魔力の収縮を感じ、アドリアは背筋がゾッとするような感覚に見舞われる。
目の前では
「むぅ? あの小屋が……!」
「あれは……」
ロスティラフの言葉にハッとしてクリフたちが駆け込んでいった小屋を見ると、そこにあったはずの小屋がまるでオーロラのように揺らめくのが見える……強い幻覚とも言える力で小屋だと認識させられていたが、その本当の姿を見せ始める……それはあまりに強い魔力と
「もしかして
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