251 雷の雨(サンダーレイン)
「なんだ、これ……話が違いすぎないか?」
「よそ見しない! 次くるよ!」
俺たちは今、凄まじい数の
というのもモーガンが籠っていると言われる命失われし沼地の
しかし今目の前で武器や腕を振り回して殺到してくる
「くそっ……何が大人しい
「騙されたって思ってるよ! <<
俺の魔法が襲いかかってくる
その攻撃をアイヴィーやロランが必死に受け止め、攻撃を繰り出していくがどういうことなんだ? よく見ると俺たちへ向かってくる
「クリフ、壁を立ててください! 敵を纏めるんです!」
「そうか!
ロスティラフの声に反応して俺が
だが
「だけど……時間は稼げたッ!
俺の魔力の集中と共に、辺りが一瞬暗くそして渦巻く黒雲が空へと展開していく、集団を一気に殲滅する魔法としてはこれが最適だろう。
轟く稲妻があたり構わず地面へと叩きつけられる……轟音と共に、
「ちょ、ちょ……こらああああっ!」
「バカああああああっ!」
「な、何やってんですかあああああああ!」
「……あ、あれ? なんで俺たちにまで……」
まずアイヴィーに比較的近い距離に
そうだった、覚えたててすっかり忘れていたが、この
そういった意味でも範囲内にいれば誰でも攻撃対象になり得る……という魔法ではあるが、予想以上に暴れ回る魔力は俺のコントロールを外れてしまい
「ちょ、おま……なんでコントロールが……」
これでは俺を中心とした半径一〇メートル程度の範囲内に無差別に
おかしい、こんなにコントロールが効かないなんて……必死に魔力をコントロールしようとするが、まるで制御の効かない
「……わかってますよね?」
「はい……すびばせん……」
一五分ほどして
その後ろにもかなりムッとした顔のアイヴィーと、呆れ顔のロラン、少し尻尾が焦げたことで悲しそうな顔をしているロスティラフ、疲れ切って座り込んでいるヒルダがいる。
当の俺は正座をさせられ、必死にみんなに謝っているところだった……いや本当にこの魔法の特性をすっかり忘れていたのは確かなのだが、あれほど威力が出ちゃうとはねえ。ロランが苦笑いを浮かべながら俺に話しかけてくる。
「ったく……お前の魔法は規格外に強いのは認めるけど、場所を考えて使わないとな」
「面目ない……この間
「ま、まあ……急かした私も悪いですし……」
「ロスティラフはクリフに甘すぎます!」
見かねたロスティラフが俺とアドリアの間に入ってとりなそうとするが、アドリアは相当怒ってるらしく、両手を腰に当てて怒りを表現している……ってこの格好も割と可愛いですねアドリアさん。
この所集団殲滅用の範囲魔法を使用するケースが多かったので、細かいコントロールがちゃんとできていないのかもしれないが……それにしてもあんなにコントロールが効かなくなったのは初めてかもしれない。
体の奥底で、熱く脈動するような何かを感じるも、その感覚はほんの一瞬で消えていく……。
「なんだったんだ? あの魔力の強さは……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます