91 執行者(エクスキューショナー)との戦い
「それで? 貴様は何をしようと言うのだ」
ファビオラが
「不完全なる調和」
「正直これ以上、帝国に
「はっ! 何かと思えば……
ファビオラが
「聞く耳は持たんか、愚かな。知識の神の信徒が聞いて呆れる……」
一瞬のゆらめきと共に
「では、貴様に大好きな
悲鳴はファビオラのものだった。
「や、やめ……」
「グハァアッ……」
口から、胸から血を流しながらファビオラが悶え苦しむ……。呆気に取られて俺たちは傍観するだけしかできなかった。
「血の契約だ、
滴る血が
「では使徒よ、その力を見せてみよ」
それと同時に遺跡全体が大きく震えるように振動する。各部が崩れ始めているのがわかる。
「ここはまずい、逃げるぞ!」
ロランの一言で俺たちは慌てて出口に向かって走り始める。
「め、面倒ごと全部俺たちに押し付けて逃げたんじゃないか? あの
地上になんとか脱出すると、遺跡が大きく崩落していくところだった。
「崩れていく……」
アイヴィーが呆然とした様子で遺跡を見つめている。遺跡は所々崩落と爆発を繰り返しているのだ。爆発するようなものなんかなかった気もするが、とにかく今現在目の前では崩壊が進んでいる……。
「俺たちが未探索の場所に何かあったのかもしれないな……」
その時、大きな咆哮があたりを包んだ。甲高い、そして物悲しい叫びのような。遺跡の崩落が止まり、一瞬の静寂があたりを包む。
「まだ終わってないようですぞ」
ロスティラフが
甲高い咆哮を上げながら、宙を舞い外界へと躍り出たその姿は、石像として安置されていた時と違い、生き物のような……そして艶やかな光沢を帯びた皮膚を持っていた。皮膚には紫電のような、不思議な魔力が脈動するように走っている。そして……
「これは……倒さなければいけないわよね?」
アイヴィーが
「
「炎の王……
俺の
「嘘だろ……ってあぶねえ!」
呆然とする俺に向かって
まるで空中を泳ぐように大きく宙を旋回し、再び対峙する
「うぉ……なんだこいつら……」
「くっ……」
ロランが
「ロスティラフ本体よりも小さいのを、アイヴィー達の援護を頼む!」
俺の言葉にロスティラフが頷き、
「アドリア、俺たちで本体をどうにかするぞ」
アドリアが頷き……俺達は
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