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ペルセウス座流星群観測当日、八月十二日。夕飯を食べた私は、街の公園に向かおうとする。するとキュリルが、僕も連れてってと言ってきた。
「キュリルも、夏稀ちゃんに付いていくの!流星群を観に行くの!」
キュリルは、私に付いていくという。いつもの事だ。
「分かったわ、キュリル、一緒に行きましょう」
キュリルは、今回も嬉しそうだ。凄い喜びようだ。
「嬉しいの!キュリルは、役に立つの!流星群を観に行くの!」
ブンブンと部屋の中を飛び回るキュリル。いつも、この妖精さんは嬉しいようだ。
「さて、そろそろ街の公園に行かなきゃね……あら――」
LINEに着信が届いていた。美緒と一美からだ。佐伯先輩からもLINEが着ている。
涼太 池澤、今日は楽しみだな。七時には街の公園に向かうよ
涼太 ペルセウス座流星群、きっと綺麗だろうな――
佐伯先輩は天文部。普段から星を観測する程、天体観測が大好きだ。ペルセウス座流星群の観測に、いつも以上に熱量を感じる。星を好きな先輩を丸ごと好きになるのも、何だか素敵だ。
夏稀 はい、私も楽しみです!七時に街の公園で会いましょう!
佐伯先輩に返事をして、美緒と一美とのグループLINEを観る。
美緒 涼太先輩との星空観測、上手くやるのよ!
美緒 夏稀なら、大丈夫よ!
一美 流れ星を観に行くのよね
一美 涼太先輩とイイ感じになるといいわね!
二人のエール。いつも応援してくれるけれど、やっぱり心強いな。
夏稀 ありがとう!佐伯先輩とのペルセウス座流星群観測、楽しんでくるわね!
温かなエールを貰い、(後は、佐伯先輩とのペルセウス座流星群観測に向かうのね)と心の中で呟いて、街の公園に向かおうとする。あっ、そうそう。キュリルを一緒に連れていくのね。
「キュルキュル―!僕も一緒に行くのー!」
キュリルは空中を飛んで、自ら私のトートバッグに入ってきた。そうするとその中で、ぬいぐるみの様に大人しくしている。
「キュリル、今日も応援お願いね」
キュリルは動かずに、「キュルー」とだけ鳴いて返事をする。街の公園へと向かう私。
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