第7話 振り返り

初めてのダンジョンから無事に帰還し、酒を飲みながら現状を整理する。


名前:根岸三郎

性別:男

年齢:29

装備:ユニ〇ロのスーツ

  :金属バット

  :革靴

加護:性悪の神様

   →身体能力アップ1.5倍以上※たぶん2倍ぐらい

   →性悪ムーブでモンスター討伐時のドロップ率アップ?運がアップ?

ダンジョン:新宿ダンジョン第二階層

スキル:なし


うーん。


現状をしたためた紙を見ながら唸る。


改善点は明確だな。先ずは装備だ。やはりスーツ姿に金属バットはマズイ。不良リーマンだ。明日エクスプローラー向けのショップに行こう。


加護についてはとりあえず不満はない。ドロップ率が爆上がりなので普通のエクスプローラーより効率良く稼げる筈だ。


しかし、いつも和久津に売りつける訳には行かないのでエクスプローラーの交友関係を広げる必要がある。なるべく協会認定ショップには売りたくない。エクスプローラーが集まる飲み屋でも開拓しよう。


さて、一番の課題はスキルかもしれない。こっちの世界とあっちの世界がくっ付いた影響は大きく3つ。ダンジョン、神様、スキルだ。


現状、俺はもちろんスキルを持っていない。スキルの取得方法は2つ。生まれ付き持っているか、スキルオーブを使うかだ。


あっちの世界とくっ付いてから生まれた子供には稀にスキルを持っているやつがいるらしい。稀といっても5パーセントぐらいいるらしいので今の子供は油断ならない。


もうアラサーの俺がスキルを得るにはスキルオーブを使うしかない。


が、しかしだ。スキルオーブの値段を調べるとクラクラする。最も安いものでも1000万円からだ。スマホを弄りながら協会のサイトでスキルオーブの価格表を見るとこんな感じだ。


強打:1000万

刺突:1000万

斬鉄:1000万

必中:1000万


毒無効:1000万

魅了無効:1000万

暗闇無効:1000万

恐怖無効:1000万


水生成:1000万

火生成:1000万

土生成:1000万

風生成:1000万


etc...


一般的に1000万のは低級スキルと呼ばれるらしいが、それでもあるとないのでは雲泥の差。スキルを持っていないエクスプローラーは初心者扱いされるとか。


どこのダンジョンでも第六階層に達したエクスプローラーは中堅とか中級と呼ばれる。その理由は第五階層にある。ダンジョンは第五階層ごとにフロアボスがいて、それを倒さないと下には降りられないらしい。


さて、それとスキルに何が関係あるのか?大いにある!フロアボスはスキルオーブを落とす可能性があるらしいのだ。


そして!これが重要なのだが、生まれて初めてフロアボスを倒すと必ずスキルオーブがドロップするらしいのだ!


だから大抵の中堅エクスプローラーはスキルを持っている。和久津だって刺突のスキル持ちだ。


加護とはまた別の異世界要素、スキル。これを手に入れる為に俺はフロアボスを倒さなければならない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る