第3話 Sunset
目を覚ます。日は高くない。今日は珍しく早起きだった。二度寝するのももったいないくらいなんだかスッキリしていた。カーテンを開け薄暗い窓の外をなんとなく眺めていると、腹の底のあたりが熱く、
「あの女か……。」
先日のあの光景。おそらく自分以外の人が見たところで何の
早起きしたはいいものの、することがない。しかし心はどうも落ち着きがない。血迷った俺は
「……んだよお前か……何?こんな朝早くから……。お前朝型じゃねえだろ?」
「あぁ……いやなんか珍しく早起きしちまってさ。その……なんつーかじっとしてられなくてさ」
言葉に詰まった。卓也に対して初めて恥というものを覚えた。
「何それ。テストかなんかでもあんの?今日。」
今になってこいつに電話を掛けたことが後ろめたくなってきた。
「あ……いや……そういうわけじゃないんだが……。」
口ごもる俺に、舌打ちが聞こえた。
「はぁ、こちとら寝起きなんだよ、用があるならはっきり言え。」
引くに引けなくなり、俺は意を決した。
「なぁ、お前ってさ……割と恋愛経験豊富だよな。」
俺の口から「恋愛」の2文字が出るなり卓也は声色を変えて、
「え、おい何だよ、まさか非リアが一番似合うお前に好きな人でもできたの?こりゃ明日は雪だな。」
などと
多少の
「
自らのすべてを投げ出す覚悟で聞いた。
「んー?まぁ軽く告ってみたら?案外行けんじゃね?」
この言葉を聞いてからというもの、次第に俺の心の何かが崩れ始めた。
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