Phase6

 一か月が経った。



 サトリはそう簡単に見つけることはできなかった。

 そもそもプロテクターズは街に出てきたフレンズを狩ることが仕事なのだ。

 特定の誰かを捜すなんて専門外。

 慣れない仕事が続いて、段々イライラしてきている。

 今日も上野近辺をくまなく捜索したが、なんの手がかりもなし。


「はぁ……」


 自然にため息が出る。







 基地に戻って、戒くんのもとへと向かう。

 彼は会議室のソファに座りながらスマホを操作している。

 何か写真を見ているようだった。

 そして寂しそうな表情を浮かべながらそれを削除していく。


「戒くん」


 呼びかけると彼はすぐに振り向いた。


「……ああ、健斗か。見つかりそう?」

「いや全然」

「マジかー」

「力不足です。すいません」


 俺は頭を下げる。


「まあしょうがないな。猫捜しも人捜しも、ましてやフレンズ捜しなんてしたことなかったし……どこいんのかな?」



 戒くんがそう言ったその瞬間、慧他が慌ただしく会議室に入ってきた。


「戒さん、外見てください」


 会議室に入るや否や、慧他はそう告げた。

 俺と戒くんは窓の外を見やる。

 俺は、自分の目に映った光景を見て絶句した。



 プロテクターズの基地の周囲を、数えきれないくらい多くのフレンズが取り囲んでいた。



 



 

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