第17話 エピソード・・16


 俺たちは中三の夏休みにも面白いジョークをした。


 健の母ちゃんが新しい男を作って家に帰ってこなくなってしまったからだ。


 俺たちは出せるだけの金は出し尽くし、出来る事は全てした、でも健の母ちゃんが、金も金目になる物も全てもって出て行ったから、健は貧困に落ち行っていた。


 所詮俺達が出せる金なんて、大した金額にはならず、妹と二人の健は日に日に痩せて行いくのが痛々しかった。


 だから俺たちはまたありもしないジョークを考え始めた。


 その頃バスケ部のキャプテンになっていたさとしには一つ下の彼女がいた。

考えに考え抜いた俺たちは結局、その彼女にも協力してもらう事になった。


 当時、ダイヤルQ2なんて物がはやっていた時代だったから、かもになりそうな大人はそこら中に幾らでもいたんだ。まず彼女に電話で会う約束をさせ、隣町のかに山の駐車場に呼び出す。


 呼び出されたおじさん達は大抵、薄ら禿げで小太りのおやじが多く、中学生の初物がいただけると思い大層興奮してくる連中ばかりだった。


 そして車の色と形を確認、もちろんナンバーも控え、彼女を制服のままチャリンコで側まで行かす。


 ちょっとした会話の後に今日はお父さんが早く帰ってくることになってしまったから無理だと言うことをいい、明日、相手の家の近くまで行くからと言い聞かせその日は帰らす。これで相手の家の住所も大体近くまでは聞きだせる。


 彼女は一つしたの学年の中でも一,二を争う美人なのでおやじ共も疑うより先に、想像得れる興奮の方が多いので大体が素直に言うことを聞く。


 中には言うことを聞かないおやじも何人かいて、むりやり彼女を車に乗せようとする奴もいるが、そういう聞き分けの無い大人はその場で終了。


 四人がかりで出て行ってちょっと痛い目を見せ財布の中身を出させる。


 このときは現金以外は一切相手の物には触らないルールを決めてある。カードなどを取って使った後に足が付くのを恐れていたからだ。ただ大体こういったおやじ達は財布に五万ぐらいしか入っていないからあまり稼ぎにはならない。


しかもこういった焦るおやじ達は、ろくな家にも住んでおらず、貯金も資産もたいして持っていないことの方が多い。

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