第14話 エピソード・・13
その後何度か掛け、それほどはっきりとした口調でしゃべらないおばちゃんが、四度目ぐらいに出たから、このおばちゃんにターゲットを絞った。
「こんばんは~グッドエモーションのお時間です。
ご機嫌いかがですか~突然のお電話申し訳ございません。この電話はいまラジオ日本からお送りしております。
びっくりされたでしょ~私はパーソナリティーのミスターポパイです。お見知りおきを。さて早速ですがこの電話の趣旨をご説明させていただきます。
この番組は突然ランダムに掛けられ、見事電話に出られた方のみチャンスがあります。
電話に出られたかたに送る、ビックビッククイズ!に挑戦していただき、見事、見事三問クリアされたリスナーの方には番組の方から壱千万円プレゼント。
どうです、やりますか、やりますよね、当然です。あなたはこの一億人以上の人々の中から選ばれたたった一人の、チャレンジャーなんです、よろしいですか!いや、早口すぎて解らなかったですよね。
要するにこれから出題するクイズを見事三問クリアすればあなたに壱千万差し上げるって言う大変、大変ビックな番組なんです。いいですか~壱千万ですよ壱千万。生放送でお送りしておりますので時間が余り無い、と言うことで早速クイズに行きますか、いや、いやいやまずは挑戦者の方のお名前からお聞きしましょう、すいませんが、お名前よろしいですか」
ここまで話すのに五分ぐらい掛かっただろうか。相手にはまだ一言も話させて無い。
話す余裕も切る余裕も与えなかった。上手く言い切ったのだろう、現にまだ相手は電話口にいる、よし上出来。
「え~と~。なんなんですかこれ。」
「そうですね~壱千万もらえるかも知れないんで、ラジオネームでもいいんですが、本名の方がいいんじゃないですかね~。それと近くにラジオはありますか?あったとしてもスイッチは入れないで下さい。電波障害がおきてせっかくの壱千万がパーになっちゃうかもしれないですからね~ちなみに電話が切れた時点でこのチャンスは終了させていただきますので宜しくお願い!。それではお名前とお年、お住まいのほうをどうぞ」
「え~・・本当に・・本当。良く解んないな~。じゃあま~、えと~それじゃあ、いちお、東京都にすむ四十六歳、智子です。主婦です」
「こんにちは~ともこさ~ん、クイズの方は得意ですか~」
「いやそれほどでも~なぞなぞぐらいだったら子供と・・・」
「ちなみにお子さんはおいくつですか~、差し支えなければ、お子さんのお名前と意気込みをラジオの向こうで聞いているリスナーに一言お願いします。」
「はい、え~子供は長女の恵美と長男の拓哉の二人です、これ、本当なんですか~信じられなくて~」
寝そべって鉄アレイに四つの耳を重ね合わせながら、俺たちは物凄い興奮を感じ、テンションは上がりまくっていた。
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