「2」

みんな、こんばんは。

小説なのにこんな始まり方、おかしいと思う?


うん、おかしくてもこれが自分の書き方だから、仕方ないなあ。

自分の気持ちを伝えたいだけだもん。これでいいよね。



そうだな、今日は何を話そうか。


うん、自分が一番後悔したことについて書くことにするね。

みんなには、こんな後悔してほしくないし……まあ、こんなことする人はそういないと思うけど。



これは、自分が小学生のときの話。


細かくは言えないんだけど、自分は大きな噓をついた。

小学校中学年か低学年か、くらいのときだったはず。


三年間ほど、噓をつき続けた。

自分が友達と笑っていられたのは、その噓のおかげだったとも言えるかも。


その頃の自分といえば、引っ込み思案で、さらに自分のことしか考えられないような人間だった。

そのせいで人を傷つけ続けていた。


自分は、噓をつくのに疲れてきた。

そしてだんだん、ついた噓の全てを否定し始めた。



……それがきっかけで、自分は親友を失った。


大喧嘩に発展し、その親友は学校に来なくなった。

もともと、学校に来ることが嫌だ、いじめを受けているから、と言っていた。

なのに、自分は彼女を見捨てた。


きっと、守ってあげている気になっていたんだ。

自分はいい子だ、助けてあげている、なんて思い上がっていた。



それからしばらく……だいたい数年ほどしてようやく、自分の愚かさに気付いた。


自分は彼女に謝罪の手紙を送った。

あの時のことは悪かったと思っている。もう一度仲良くしたい。

そんな内容だったと思う。


当時の親友からの返事はなかった。

この数年、顔も見ていない。

一度だけ、学校に来ているのを見たけれど、お互いに話はしなかった。

それはそうだろう。裏切ったんだから。


その後にも、自分は大きな噓をついたけれど……その話は今度にしようか。



そうだな、この話は正直、あまり人にはしないんだけどね。


ずっと、自分の心に引っかかっているんだ。

あれ以来彼女は学校に来ていない。もう五年ほど経ったんじゃないかな。


みんなは、こんな後悔しないでね。

失った親友は、戻ってこないから。


信頼関係を築くのには時間がかかるけど、崩れるのは一瞬だ、って。

その言葉の意味が分かった気がするんだ。



うん、聞いてくれて……いや、読んでくれて、かな?

読んでくれて、ありがとう。


自分も、それだけで嬉しいよ。

やったことが許されるわけでも、償いになるわけでもない。

むしろこれは小説のネタにしてるってところでよくないのかもしれない。


だけど、自分は……後悔して、後悔して、仕方ないんだ。

みんなは、できればこうならないでね。


うん、今回はこのくらいでいいかな。


またね。自分はいつでもここにいるから。

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