第3話 じかに話すことも、電話もまともにできない旦那

急に旦那から連絡があった。

 また、娘がいらんことをしていると、ツイッ〇ーでオフ会のようなことを企画しているし、ツイキ〇スで土曜日にずっと顔出し配信をしているようだと、お前は知っているのか!?娘のLIN〇を解約していいか、毎月500円かかってるんだぞ!!

 正直な話をしていいだろうか、知るわけはない。

 パソコンは基本土曜日にはフリーで使わせているし、ただ、とにかく、同じようにまだ君は未成年だし、何らかの責任を取れる年齢どころか、性的対象や、場合によっては売り物になるような年齢であるので、観ることはあっても、発信する方にまわってはならないと言ってある。まぁ、そう言ったって、子供がいうことをきくはけはないのだ。

 娘に聞いたところによると、LINEが使えないため、週末の出かける連絡をツイッタ〇のDMでやりとりし、ツイキャ〇に関してはしているけれども、ずっとしているわけではないとのことである。

ちなみに言うと、LINEに関してはもう解約していいと言ってあったのだけれど、すっかり本人忘れているらしかった。

 もう一度、娘にこんこんと説明し、しないこと、やらないこと、知らない人とのやりとりはしないことと続けて言っておいた。そして、間に立つのもつらいので、LINEで困難が来たから(旦那からの連絡はほぼLINEでしかこない)旦那へ電話するように言った。

 普通、こんなとき、父という存在はどうすべきか?

 それは多分私と同じように言うコトだと思うのだけれど、それは間違っているのだろうか? 旦那に電話して数分、いや、数十秒で娘はがつんと受話器を置いた。どうしたのかと聞くと「何?え?なに!?なに!?なんだ!?」とキレ気味に旦那が言うばかりでラチがあかない。うざい!だそうだ。まぁ、そうだろう。

 大きく何度か深呼吸をして、娘にはとにかく、旦那はお前を見張っているようなものなのだから、禁止されることはとにかくしないようにしなさい。という以外、私に何が言えるというのだろう。というか、大人だし、親なのだから、少しは大人か親らしく、アドバイスや説教が出来ないものなのか? 子供同士の喧嘩じゃあるまいし、もうちょっとでいいから、親というものを演じることはできないものだろうか?(たとえ、中身が子供だとしても)あとから、また、LINEがきて、なんとか居間だけでさせるとか、お前が見張っている場所でしか使わせないとかできないかと、連絡が来たんだけども。すでに逆上している娘に言ったところで聞くはずもない。なぜ、娘自身に電話の時にそれを言わない物なのか、さっぱりだ。

 キャパシティが超えていたので、父と母に電話した。

 結果としては、どこのこどもだ、自分の子供だろう。あれ(旦那)はあてにならない、むしろ悪化させるだけだ。お前に監視しろというなら、自分がすればいいのに、何を押し付けているのだ。娘については言って聞かせるしかないし、旦那自体がユーチューブに動画をアップしたりしているのに、ネットで動画を流すなどの行為を止められるはずもないとのことだった。まぁ、そうだよね。せめて、お前にはまだ早いなんて言えばいいものを言わないのだから、しかたないよね。

 私はまたしても娘に「ネット世界で稼ぐとか、やっていく覚悟がないままに配信などをするのは好ましくないし、顔出しなんてもってのほかだろう。アイドルのインスタやTwitterの写真で目の虹彩に映った風景から、自宅を特定するような人がいるぐらいなのに、お前はうかつすぎる。アイドルや有名人なら、場合により守ってもらえるかもしれないけれど、お前は何もない。危ない目にあったとしても、警察も忙しいからお前を全力で守ることはできないだろう。できるのは事件になって、命が亡くなった時か、誘拐されたときの捜索ぐらいのものだ」と、娘はやっと顔出し配信などはしないという約束をしてくれた。(ちなみに顔出しと言っても、マスクで隠した顔であったり、服を着た首から下ぐらいの写真のため、良くはないが、それほど悪くもない状況である)

 おかげさまで、キャパシティを超えたせいか、ふとした瞬間に涙がこぼれそうになったり、背筋や背中がぞわぞわして、死にたくなる。これからの不安すら山積みなのに、現状のことでいくつも起こることに関して、対応できない。

 自分の食い扶持は稼げというのに、娘は監視しろという…本人はのうのうと何もかも義実家の母にしてもらっている。

 わたしはというと、ここで子供らの衣食住を整えて、ポスティングの仕事をしながら、死ぬまで出来そうな仕事を探し、何も見えない将来に対して、不安で押しつぶされそうになる。時々、ふらっと、肝臓や、腎臓をおかしくなってもいいから、精神科処方の薬へ手を伸ばしそうになる。けれども、これを使ってしまったら、しばらくまた心は落ち着くが、身体の痛みに耐えなければならないと思うと、仕事をまともに探せる気がしない。特に今は夏で天候的ストレスも辛い。

 あ~~ほんっと、何してんだろ私。

 実家へ帰って、ぼんやりしたい。

 何もかも、放り出して、ハムスターだけ愛でていたい。

 そんなわけで、まだ離婚していない。

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