『夏』日常

葉月

一話目 母との会話

夏の音が風に揺られて窓から入ってくる。今年一番の暑さで、エアコンがやられて俺は窓を開けて涼んでいた。携帯の音が鳴り俺はベットから起き上がった。

「もしもし」

 夏の暑さにやられて少し機嫌が悪そうに俺は電話に出た。

「あんた、いつ家に帰ってくるんだい?」

 電話の相手は母さんだった。東京に上京してから連絡は取っていたが、まだ一度も家に帰ってきてないのもあり、毎日メールだの電話など掛かってきて鬱陶しい。

「まだ東京に来て、三ヶ月なのに帰ってきて欲しいって過保護かよ」

「そんなじゃ無いわよ。少し顔が見たいだけ」

 暑さだけではなく母さんも鬱陶しくなった。俺は静かに誰にも縛られず生活するために東京に来たのに。これじゃ、実家と変わらない。

「じゃあ、切るね」

 そう言うと俺はすぐに電話を切った。母はまだ話したそうな感じだったが、話が長くなるのでこのくらいにしといた。

 今年は、異常な暑さの中、俺は東京で生活するのだった。

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『夏』日常 葉月 @hazy_no

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