第7話 リュートの弦

リュートの弦をつま弾きながら 音階の調整をしている

吟遊詩人の少年が庭先で 穏やかな微風に吹かれている

包み込むような緑と花々


静かに青い瞳を閉じて、懐かしい人達を想い起こす


とても煌びやかで自由人だったアキテーヌ女大公エレオノール

英雄のエレオノールの息子の一人、リチャード獅子心王


それに

仏蘭西の聖女 まだ19歳だった純粋な優しい心を持った

ジャンヌ・ダルク

その姿 少女の内側からその心が光輝いているようにも見えた


「闇の魔物の僕には・・ふふっ」そんな言葉が彼シオンから漏れた


庭先の向こう側ではエリザベス・ウッドビルとその子供達の姿がある


「ランカスターにヨーク エレオノール王妃たちの末の者達か」

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