Butterfly's route * Bedivere

 ……あの後、ベディヴィアの良さについて延々と聞かされた俺は、結局締め切りギリギリにレポートを提出する羽目になった。ベディヴィアは何も悪くないが、ちょっと嫌いになりそう……。ってか、選んだのを後悔した……。


 講義に出席して、図書館に向かって、レポートを書いて……。それを繰り返している内に、あっという間に夜になってしまった。もうそろそろ帰らないと、いい加減遅くなるな。

「はぁー、疲れたなー……」

 駅に向かう道の途中、静かにため息をついてみる。あれだけ話に付き合ってやったんだ。華菜には後でなんか奢らせるか。……まぁでも、もう少しぐらいは、話に付き合ってやってもいいかも。あいつの話を聞いてたら、俺もゲームやりたくなってきたし……。

 ……次の電車まで、あと十分か。近道を使わないと、ちょっと間に合わないかもな。陰気臭くて怪しい感じなんだが、早く帰りたいしささっと通っちまうか。


「……ん?」

 ――薄暗い路地裏に、真っ黒なフードを被った、背の高い男が立っている。なんか、見るからに怪しいやつだな……。目を合わせたくないって言うか、何て言うか……。

「おい」

「……えっ」

 ……ヤバい、話し掛けられちまった! しかも、随分と怒ったような声だし!

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