Percival

Fluttering of Wings * Percival

 パーシヴァル……。なんか、元気そうなキャラだな。裏表がないって感じか?

「俺、こいつにしようかな」

「へぇぇー! お兄ちゃん、意外ー!」

「えっ、そうか?」

 華菜の反応、随分と意外だったらしい。逆に、誰を選ぶと思ったんだ?

「だってお兄ちゃん、暗いキャラの方が好きじゃない? お兄ちゃんが好きって言うキャラって、大体そんな感じだから、ちょっとびっくりしたって言うか……」

 あー……。まぁ確かに、華菜の言う通りだ。俺のお気に入りキャラって、黒っぽい感じとか、闇っぽい感じとか、そういうのが多い。それこそ、こいつとは正反対だ。

「んー、特に深い意味はないけど。何となく、ぱっと見で」

「そっかー。やっぱり、パーシヴァルって魅力があるんだねー」

 その言い方だと、結構人気のキャラみたいだな。よく分かんないけど。

「あっ、そう言えば! お兄ちゃんに返さなきゃいけないものがあった!」

「おい、また勝手に持ってったのかよ」

 ……華菜のやつ、いかにも「思い出した!」って顔しているが、こいつは勝手に俺の物を持っていく。この間だって、無断で俺のイヤホンを持ち出していた。

「ちょっと待ってて! 今取ってくるから!」

「何を持ってったんだよ」

「えーっとね、大学の本! お兄ちゃんが図書館で借りたやつ!」

 はぁ……。その本、絶対に返却期限が切れてるだろ……。

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