End Kay * Nestle

「お兄ちゃん、見ちゃった?」

 ――っ!! か、華菜!!

「あははは、そんなに驚いた顔しなくても。その引き出しはね、お兄ちゃんの色んなものをコレクションしてるの」

「は……? な、何で……」

「何でって、そんなの決まってるでしょ? 私、お兄ちゃんのことが大好きなの!」

 華菜は当たり前だと言わんばかりに、俺の手から薬瓶をひったくった。この状況、どこから突っ込んだらいいんだ……!?

「せっかくだから、この薬、試してみよっかなー。お兄ちゃんとラブラブになるために、色々買ってみたんだよねー」

「はぁっ!? おい、華菜!! ちょっと落ち着けって!!」

 待て待て待て!! 華菜のやつ、無駄に握力が強いぞ!?

「大丈夫、そんなに焦らないで! ストックはいっぱいあるから、効果がなかったら別のを試せばいいし!」

「いやいや、そういうことじゃねぇよ!!」

 てか何なんだよ、その薬!! 睡眠薬か!? それともヤバいやつか!?

「お母さんね、今買い物に行ったんだー。本当、ナイスタイミングだよねー!」

「――っ!!」

 ぐぅっ……! 華菜のやつ、無理やり口に錠剤を入れてきやがった……!

「お兄ちゃん、だいだいだいだいだーいすき!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る