Kay

Fluttering of Wings * Kay

 華菜が「早く選べ」と急かすから、キャラの絵をザッと見た段階で、素早く投票ボタンを押した。

「ふーん……。お兄ちゃん、こういうキャラがタイプなんだ」

「いや、別に……。直感で選んだだけだし……」

 この金髪ロングヘアのイケメンは、ケイって言う名前らしい。まぁどいつもこいつもイケメンだから、あんまり大差ないけど。

「なんかさぁ……。こいつ、前に流行ってたアニメのキャラに似てね?」

「あーっ! 言われてみれば、確かにそうかも!」

 去年の夏、流行りに流行ったアニメがあった。こいつ、あのアニメの脇役に似てるんだよなぁ……。

「ねぇねぇ! せっかくだから、そのアニメ観てみない? 私、実は気になってたんだよねー! 受験生だったから観れなかったけど!」

「そうか。別にいいぜ」

「わーい! やったー!」

 ……こう考えると、俺って華菜と仲いいよな。これぐらいの年齢になると、「マジうざい!」とか言われそうなもんだが。

「お母さんが仕事から帰って来たら、『ビデオ借りて来て』って言おーっと!」

 華菜は嬉しそうにぴょんぴょん跳ねながら、俺の部屋を飛び出していった。全く、元気なやつだな――。


「ん? 何だこれ?」

 ――あいつ、なんか落としてったぞ。見たところ、紙切れみたいだが……。

「……っ!?」

 ……なっ、何だよ、これ!?

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