第2話
その紙を手に取ってみた。黒く汚れて無数の折り目が着いていた。汚い字だったが何故か見苦しいとは思わなかった。「.....。」何故かこの物語の結末が気になった。書きたいという意欲が急に溢れ出てきた。ペンが1本机に転がっていた。インクは中途半端に残っている。「こいつを節目にしよう。」とすぐに思った。
机に座る。
ペンにインクをつける。
そして、、
そこからの記憶はない。
.........。
暑い、眩しい、そう思い目を開けた。
よく自分の状況がわからなかった。
覚えているのは物語を書こうとしたところまでである。俺は状況が掴めないまま前を向いた。すると、そこには都会の喧騒や騒々しさとはかけ離れた景色があった。緑に溢れその緑の中でもグラデーションがあったり、蝉の声が耳に響き、子供たちの声すらかき消そうとしている。
俺はこの景色を見たことはなかったが、何故か懐かしさを感じた。少し胸が苦しい。すぐにわかった。胸の苦しさのわけも今の場所も。
.....あの物語の中だ。きっと..。
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