第4話 惨劇
1991年……この年は記録的に日照時間が少なく、6月は高温が続き、かなり不快だったそうだ。
6月14日15時……賽河県賽河市は急な雷雨に見舞われ、賽河市立石積小学校の生徒たちは足止めをされた状態で、再び教室に戻り、思い思いに友人らと楽しい放課後を過ごしていた。
この後、歴史に残る惨劇が発生する事も知らずに……。
15時15分……迷彩服に身を包んだ男が、校門から堂々と侵入した。 その男は小柄な上、
男は正面玄関から校内に侵入し、サバイバルナイフ、ククリ刀、そして特殊警棒を使って、生徒や教師を次々に襲った。
死者18名、重傷者20名以上という、戦後屈指の悲劇だった。
男はこの
…… ふ ざ け る な ……。
……
……この被害者の中に、生死の境を
半年後……医師、看護師たちの懸命の治療の甲斐があり、奇跡的……本当に『奇跡』的に、この児童は命を取り留めた。 しかし、後遺症が残るのは必至だった。 ……筈だった。
一年後、彼が所属する野球部は全国大会のベスト4に進出、惜しくも決勝は逃したものの、彼は主砲として、試合中、本塁打やヒットを連発、更にセカンドを守り切る大活躍を見せた。
そう……彼は、生命の危機を乗り越え、後遺症さえも克服したのだ。
……彼はインタビューで涙ながらにこう言った。
「あの事件の後、たくさんの友人が毎日毎日会いに来て、勇気と力を僕に注いでくれました。 ……その彼らが『犠牲者』だと知ったのは、退院した後の事です。 ……だから、僕が生きている限り、彼らも生き続けているんです!」
彼の言葉は、癒される事の無い深い悲しみに暮れていたご遺族に、生きる希望を与えたと言う。
……彼は、この
そう、この
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