第10話 尊厳
「…
「森さん、元々、
輸血伝票を村田師長に渡し、少し考えたいので、遠回りをしながら地下に向かった。
今朝、父と笑いながら話をした事…そして、昨日の森さんのご家族の姿…が頭の中でオーバーラップした。
『自分自身が延命治療を望むか』と言う問いに『望む』と答えた人は、5%に満たないという。 その反面、家族が終末期を迎えた時、『延命治療を望まない』と言える人が、果たしているだろうか。
私は、自分自身、延命を望まない。家族にかかる精神的・経済的負担が
そう考えたら、つい自嘲してしまった…。
人間って、本当に勝手だ。理屈で
…今現在、その
この命題は、誰もが避けて通れない道だ。 …そして、様々な葛藤から、大勢の人が、身を切られる以上の
だからこそ、私は思う…。
今、健康な人とその家族、…また、病んでいる人とその家族 …更に、その
…と…。
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