第6話 新鮮血腫
非常灯が明るく光る
恐らく、森さんの奥さんと、そのお子さん夫婦だろう。 この雷雨の中、呼び出されたのだろうか…。
ご家族に頭を下げて、中央材料室に入った。
ヘルパーさんは既に帰宅したようで、中央材料室の隅では辻元看護師が、1人お茶を飲んでいた。
「お疲れ様です」…と言うと、辻元さんが、疲れた笑顔を、こちらに向けてくれた。
「…今回は、先生も相当疲れてるわよ…左脳出血だけだと思ってたからね」
「血腫は、オペ中に起きたんですか?」
「そう。オペ
…右脳の中央辺りから、白い血腫が広がり、肥大した右脳が、左脳を圧排している!
「血腫は除去したけど…意識が戻るのは無理でしょうって…」
「そうですか…」
…暫く無言の時間が訪れ…
「あ、ごめん! そう言えば、伝票取りに来たんでしょ?」
そうだ、忘れてた!
輸血伝票を
オペ室前の奥さんは、むせび泣き、娘さんが、背中を優しく
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