第7章 実習生

第1話 実習生

 春、まだ肌寒さが残り、寒いのが超超超苦手な私は、かなり季節外れなダウンにニット帽、イヤーマフに厚手の手袋…という、まだまだ完全防備で出勤する時期だ。


 今日から看護実習が始まる。 …私がこの病院に就職してから、もう1年つんだな。 …なんか、あっと言う間だった。


 今年は6人の看護実習生が入って来た。 北林きたばやし看護部長が、6人のひな鳥を連れているカルガモのように、各部署に挨拶に回っている。


 実習生は、水色の白衣に白いエプロンを着ている。 真新まあたらしい制服は、やはり輝いて見える。 フレッシュさもあいまって、病院全体が若返ったような気がする…のは、私だけかな?



 その日の夕方、近くの中華飯店を貸し切り、『新入生歓迎会』が催された。


 緊急検査が入り、私は例によってじゃんけんに負け抜いて、一人遅れて会場に向かう事になった。


 あ、しまった! 今日も自転車で来ちゃった。 …ま、まあ良いか…苦手なお酒を断る口実になる!

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