第4章 自殺企図

第1話 親友

 今日は日曜日。


 私の部屋は東向きで、平日は良いけど、休日はまっぶしい上に超暑い。 なので、デパートに勤めている兄貴が出勤した後は、枕だけ持って、兄貴のベッドを借りて、昼頃まで寝ている。広いベッドで思う存分手足を広げ、開放的な惰眠だみんむさぼっていると……


真優まゆ〜、電話〜」と、母の声がした。自宅に電話がかかるのは珍しい。


近江おおみさんのお母さんだって」 ……専門学校時代の親友、近江美緒みおのお母さんだ。 美緒の家は、良く遊びに行っていたので、お母さんとも顔見知りだ。


 電話を受け取り、いつもより1オクターブくらい高い声で「お久しぶりです! はるかです!」 と言ったが、美緒のお母さんは抑揚の無い声で「遥さん、驚かないで聞いてね。」……と言った。


 話を聴くと、美緒みおが入院してしまったらしい。 今は落ち着いたが、一時いちじは生死の境を彷徨さまよっていたそうだ……。


 美緒の身に、一体何が起きたんだろう?

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