3話
「亮介さんがどんな文字書いたのか楽しみだなぁ〜」
「……いや、そんなに楽しみに待たれても困るんだが」
そう言って愛咲の前にオムライスを置く。
ちゃんとケチャップで『あいさきスマン』と書いておいた。
「ふふっ、ケチャップでスマンって!」
愛咲を見ると腹を抱えて笑っていた。
「……直接謝ってもよかったけどよ。どうせならと思ってケチャップで書いてみたわ。我ながら上手に書けたと思う。それと、さっきは無神経なこと聞いて悪かった」
「……ほんとですよ。でも、笑えたのでそれでチャラにしてあげます! あー、たくさん笑ったらお腹すいちゃいました!」
「そんじゃ、早速食べようぜ」
「はいっ!」
「ふー、食べたなぁ〜。満足満足」
「めちゃくちゃ美味しかったです! 美味しいの食べると言葉が出てこないっていうのはほんとだったんですね!」
「そんな大袈裟な。普通の味だろ?」
「ほんとに美味しかったですよ! 今まで食べたオムライスの中で一番美味しかったです! 京介さんの愛情がたっぷりはいってましたよ?」
「そ、そうか。まぁ美味しかったんならよかったよ」
「はいっ!」
そのあと俺はリビングでゆっくり休んでいた。愛咲も部屋には行かず、ずっとリビングにいてテレビを見ている。
「ああそうだ。これ渡しとく。これで必要なもの買ってくれ」
とりあえず5万渡しておけば、大丈夫だろ。服とか買うにしたって、そこそこのお金がかかるだろうしな。というか、どんなのが必要なのかもわからないし。
「えっ?! こんなに受けとれません。それに、今すぐ欲しいものはないので大丈夫です!」
「そうなのか? 服とか化粧品とか必要じゃないのか?」
「どっちもお家から最低限の数は持ってきてるので大丈夫です!」
「ちなみに何着持ってきてるんだ?」
「えっと、2着くらいですね。制服も持って来ないといけなかったのでそんなには持って来れなかったんですけど」
「なのか。まぁ服とかは何着あってもいいだろうしな。使わないなら使わないで貯金してくれればいいし」
「……わかりました!」
「おう! 後、ここから中学校までは通えそうか?」
「通えますよ! ここ、実家と近いところだったので、今まで通り通えます!」
「それならよかった。そんじゃ、俺はもう寝るから、愛咲は好きな時間に寝るんだぞ〜」
「亮介さんはどこで寝るんですか?」
「ソファーで寝るぞ?」
「えっ?! そんなの申し訳ないです! 私がソファーで寝ます!」
「いや、別に気にしなくて大丈夫だよ! 何度かソファーで寝たことあるし、意外と快適なんだぜ?」
「……なら一緒に寝ます?」
俺は愛咲の頭を軽めにチョップする。
「いたっ。もう何するんですか!」
「女の子が男に一緒に寝ます? とか言っちゃダメだからね?」
「でも、ひとまわりも違う亮介さんなら大丈夫だと思ったんですけど」
「たとえひとまわり違ったとしても俺も男だ。しかも、今まで女性と付き合った事がないから、免疫もないんだよ。それに愛咲は可愛いんだから、可愛い子と一緒に寝てたら、何するかわからないだろ!」
「可愛いって、私がですか?」
「そうだよ! 可愛い子が隣に寝てたら、男なら何するかわからないぞ? 男はそんなもんなんだよ」
「……亮介さんのエッチ」
「まぁそういう事だから、1人で寝てくれ」
「……はぁい。わかりました」
「そんじゃ、おやすみ」
「おやすみなさい!」
明日から仕事なのかと、若干憂鬱に感じながら眠る俺であった。
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