第2話


「畑中君」

「畑中君」


なんか呼ばれてる気がする

顔をあげると

クラスメイトの女の子がいた


どうしたの?

「3年生が畑中君の事を呼んでるよ」



そう、僕が通ってた中学校は県でも有名なヤンキー学校

バイクが校庭に入ってくるのは当たり前

廊下にバイクが走るのも

慣れたと言えば嘘になるけど

正直、どうでも良い存在だった。



ふーーん

何処に行けば良いの?

「一階の渡り廊下だって」

わかった

行ってくるよ



僕が教室からでた瞬間、教室からザワメキが起きた

クラスメイトが言っていた場所まで普通に歩き向かった

誰がみてもコイツ等に呼び出されたのであろうと思う

男が二人、

かかとを踏み潰した上履

ヤンキー漫画の定番のボンタンを履いてる

殴られるのか僕は?

殴られても別にどうでも良かった。



「おい!小僧!」

「挨拶がねぇぇんだよ!」

「挨拶がよ!」

僕は尽かさず(おはようございます)と言った

「ちげぇぇよ!」

「今年の一年はよ!」

「先輩に対して挨拶がねぇぇぇんだよ!」

「全員に言っておけ!」



荒々しく言葉を言っている男の名前は

板垣 真

そして

その隣に座って何も言わない人が番長の

近藤 龍一

板垣君が喋り終わり

近藤が僕に近づいてきた



「お前、全員に言わないと半殺しだから」

感情が全く入っていなく殺気だけを感じた。

「返事は?」

僕はとりあえず(はい)と言って自分のクラスに戻る

教室に戻るとザワメキが止まった

うるさい方が良いのに何で黙るんだろう

腫れ物に触るみたいに



「畑中君、大丈夫だった?」

さっき声をかけてくれた女の子だった

うん、大丈夫だよ

挨拶して欲しいみたい先輩

「挨拶すれば良いの?」

そうじゃない

僕もわからない

「でも、殴られなくって良かったね」



そういって女の子は自分のグループに戻り

僕との会話を話している

そして、その話がドンドン大きくなっていった。


数日が経ち

また、僕は先輩に呼び出された

今回は、渡り廊下では無く

体育館裏に呼び出された

さすがにこれは覚悟をした方が良い

何発殴られるのか

そんな事を考えながら

足を進めた


(あれ、どこに居るんだ?)

(待ってれば良いのか?)

(呼び出しといてだから不良は嫌なんだよ)



カランコロン

カランコロン

アスファルトに金属を引きずってる音が近づく



「おーーい」


僕は声が聞こえる方に振り向いた


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