第2話

「へぇーっ!CD、発売したんだ」

自室のベッドに体を落とす。

スマホカバーは蒼君カラーの青色だ。

丁度、私は『ダイヤモンド』の公式サイトを閲覧していた。


「発売日は7/26から、アニメイトやコンビニ通販サイトで予約もできるんだ」

グッズを調べるとこれも予約しないと手に入らないらしい。

自分の目が今、一心に留まっている蒼君のグッズを見つめる。

(蒼君クッション!)

蒼君がデフォルメされているイラストがコピーされたクッションだった。


「かわいい!買おう!うん!買おう!」


ドキドキする胸に手を当てる。

ゆっくりと目を閉じる。


もし 蒼君と会えたらー・・・・・・。


二人で手を繋ぎたい。

「大好きです」とか「応援してます」って言いたい。

サインしてほしいし、ツーショットを撮りたい。


(何だか私、叶わぬ恋をしてる女の子みたい)


こういう人を リアコ って呼ぶのかな。

蒼君と同い年だから彼女になれるのかも。


なんてね、と自分の思いに苦笑いした。

ぱちりと目を開ける。

腕を勢い良く上げてのびをする。


推し相手に恋なんてできるわけないんだから。


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