第24話 開始

作戦としてはまず、シャルルさんが周りに幻覚魔法をかける。これでまずは安全に侵入。シャルルさんの弱点は近接戦闘が苦手。なので最悪僕が対処をする。なるべく分解を使わないでおこう。人を殺さずに分解したいから、一番良い方法を昨日からずっと考えてたけど……あんまり良いのがなかったんだよね…。そしてシヴィカリー領の領主。デーブル・シヴィカリーの部屋に突入。それで証拠となる物を探し、持ち帰る。これが僕に与えられた最初の任務だ。


「じゃあ………行こうか…。」


「はい。頑張ります!」


今の現在地はシヴィカリー領のとある宿にいる。この宿はベイルさんの知り合いが経営していて今回の調査に協力してもらっている。ここから領主の家まで歩いて10分ほどなので、走って五分程度でつくらしい。このくらいじゃあの地獄の訓練よりもマシだね…。うっ、思い出すと頭がっ。

_________________________________


「兵士にも見つかったりしないようにしなきゃ……。」


「?もう私たちには同化の幻覚かけてるから誰にも分からないと思うよ?よっぽど高位の魔術師とかでない限り。あと、確かに見つかるかも知れないけど、幻惑で無力化できるから………大丈夫…。」


「流石です。シャルル先輩…。」


「………ッ。ありがと…。」


頰が赤くなっている。褒められるのに慣れてないんだろうなぁ…。


「……さ、この壁、分解して。」


「はい。粉状にする………『分解』」


サラァ……。


人が通れるくらいの穴が出てきた。ここから侵入するってことか…。


「怖い?震えてる………。」


「えぇ…まぁその………いざやるってなった時の緊張というか……はは…。」


「君は絶対に大丈夫だから…安心なんてできないかもだけど………。私が絶対に守ってあげるから……。行けそう?」


「……………はい。覚悟を決めます。」


「じゃあ、行こっか。」


「はい。」


絶対に無傷で帰ってくる。これが僕の目標だ。

____________________________________



「おいデーブル、どうやら二匹、侵入してきたようだぜ?どうする?」


「ナニッ?殺せ!儂の邪魔をしに来たんだな!そうだきっとそうだ。早くしろ!儂はこれを完成させれば………














のだ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る