第22話 ベイルさんは不遇だ。そして僕のは絶対に意味が無いはずだ。
「サルファ殿!そこらで止まってはくれぬだろうか!」
「何?ベイル?貴様が何故ここに…。」
「一旦事情を話す!だから止まってくれ!」
「貴殿が敬語で話すくらいだ…まぁ一旦中止してやろう。それで………なんだ?私のデコルが傷つきそうになったのはお前の監督不足ではないのか?」
「あの〜、ノイルちゃんには最初から」
「姉様危ない!」
ガキン‼︎
手が滑って飛んできたナイフを、当たる寸前でベイルが弾いた。
「お前………やはり私を狙って……。」
「すいません!手が滑っただけなんです!というかこの期に及んで自分の立場を悪くするわけありませんよ!」
「姉様。それには僕も同意します。流石に今のはわざとでは無いように見えました。」
「お前がそう言うならそうなんだろうな。よし!では何だ?弁解を聞こうじゃないか。話せ、ベイル。」
「ハッ、これは一言で言えば訓練だったのです。」
へ?どうゆう事?
「以前、訓練の内容を追加したと言っていませんでしたか?」
「そういえば言っていたな?じゃあ、ああなったのはどうゆう事だ?」
「それは本人に聞かなければ、分からないと思います……。ですが、ついこの間に裏切りが起きたのは覚えていますか?」
「あぁ、あの……。で、何だ?」
「もしも、仲のいい同僚が、先輩が、後輩が裏切った時、もしくは寝返られた時にどうゆう反応をするかという物だったのですが……。」
「……。成る程な…。確かにあれだけの事があれば仕方は無いだろうな……。」
お、姉様が許そうとしてる!これは………。どうなるんだ………?
「だがズルい!」
アレェ⁉︎
「私だってデコルに被さりたい!よしよししたい!膝枕してあげたい!」
「そ…それは……帰ってから好きなだけすればいいんじゃないでしょうか?」
ベイルさんが必死な目でこっちを見てる。え?断れないパターンなんですか?えぇぇ……。
まぁ、ベイルさんの奮闘でチャラって事にしとこう……。
________________________________
ちなみに、あのノイルさんの部屋での異変は全て捏造だと言う。確かにあんな人がそんな事するわけ無いよなぁ。と。
あと、妹さんの部屋荒らし事件。あれは偶然…ではなく、平常時であれらしい。つまり、片付けが出来ないんだって。
こうして全てが丸く収まって………。
今僕は姉様の生贄になってます。
「今日はずっとこうしてやるからな〜。寝る時も生きた抱き枕になってもらうからな〜。」
といってグリグリと頭を押し付けてくる。早く自由になれるといいけど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます