第21話 姉VS姉 その2
基本的に剣は一対一の時に使う武器としては圧倒的に不利だと言われている。
理由はいろいろある。槍の方がリーチが長く、それでいて防御もしにくい。盾とセットならなんとかなるかもしれないが、飛び道具などに反応するのが難しい。そういったハンデがある中、僕はお姉様が負けた所を見た事がない。
理由は簡単。そのスキルと努力と才能の三つだ。本当にこの三つがおかしい。まずスキル。実はこの人。スキルが五つもあるに加えて、それらが全て戦闘系の、さらに『剣』の系統ばかり。これだけのスキルがあるなら普通は努力なんてしない。
そう、あくまでも普通の人だった場合である。
お姉様は異常なほどの訓練量を、毎日こなす。それもスキルの無い状態で。お姉様には体力上昇系統のスキルを持っているが、本人曰く。
「ん?あぁ、数回しかした事無いな。数回私でも苦戦するような事があってな。その時以外は使って無いぞ。」
と、言うのだ。それでいて、スキルを使ってもキツイ訓練を毎日する。欠かさずにする。普通汗臭くなるはずだが、いつも良い匂いがしているので不思議な事だ。
対してノイルさん。こちらは未知数であまり僕はよく分かっていない。けれどシャルルさんが言っていた意識を誘導させる能力というのはかなり強いと思う。
この戦い…どうなるんだ⁉︎
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「お前…本当に謝る気はないんだな…?」
「いや!謝るっていうかその!」
「喰らえぇぇぇぇぇ!」
相変わらず咬ませ犬役みたいな声を出してしまう。まぁこればかりは仕方の無い事だ。威力が高ければ私はそれで良い。
「だから待ってくださいって!これには訳があるんです!」
「その訳とはなんだ!話せ!」
「いや………その……デコルくんの前だと言え無いっていうか…。」
「おかしな話だな!ならば一体あの状況はどう言い訳するつもりだ!」
「うぇっ。いや………その……ヒートアップしちゃったっていうか…暴走しちゃったっていうか…。」
「暴走したで済まされる話ではないのだ!私のデコルをよくもあんな風に押し倒せたな!けしから、いや、羨ましいぞ!」
私がやろうとすれば力加減が難しくて飛んでいってしまうのに……。
「逆じゃありませんか⁉︎逆⁉︎」
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す……すごい…。遠くて何話してるか分かんないけど今もずっと打ち合いが続いている……。目に見えない位のスピードで…。
「どちらも怪我をしなければ良いなぁ。」
「あぁ、それなら心配いらないと思いますよ〜。あの子はああいう受け身タイプの人ですから〜。」
「へぇ〜、そうだったんですね…。あれ?フワラさんとベイルさん⁉︎どうしてここに……ってシャルルさんまで!」
「………ごめん。デコル君。失敗した………。」
「失敗ってどうゆう事ですか?」
「あぁ、その件は私から説明するわね〜。」
「は、はい…。」
「一言で言うと、あれは全部訓練とテストだったの♪」
「はへぇ?」
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