第535話 浜辺での質問タイム

『それでは、島へと繋ぎますね。ショウ君、ルピちゃん、島のみんな〜』


「ようこそ、ミオン!」


「ワフ〜」「キュ〜♪」


 今日のスタートは小型魔導艇の船上から。

 操舵してる俺の隣にはルピとトゥルー。ラズとスウィー、フェアリーズは今日はセルキーの里でお留守番。


『今日は船の上からですね。どこへ向かってるんでしょうか?』


「今日は港から南側へ。無人島スタートした砂浜へ向かってます」


 そう言いつつ、カメラを前方へと向けると、船首には白竜姫様、エルさん、そして、バーミリオンさんが映る。


【ブルーシャ】「白竜姫様〜♪(≧∀≦)」

【コーヨー】「赤髪のお兄さん is 誰!?」

【ドラドラ】「バーミリオン様じゃん!」

【シェケナ】「緋竜様キタワーヽ(´▽`)/」

 etcetc...


 知ってる人も結構いるなあ。

 ああ、そういえば、死霊都市で人の姿で模擬戦とかしてたんだっけ。


「バーミリオンさんが遊びにきてるので、今日は浜辺でバーベキューでもしようかなと」


『いいですね!』


 飯テロで盛り上がるコメント欄を眺めつつ、小型魔導艇は南へと進む。

 砂浜が見えてきたあたりで、先に行ってくれてたセルキーたちが出迎えてくれた。


「キュ〜」


「「「キュキュ〜♪」」」


 船を取り囲むように泳いでいるセルキーたちを連れて、そのまま砂浜に上陸。


「降りていいですよ」


「おう!」


 白竜姫様はエルさんに任せて、俺とトゥルーたちはバーベキューの用意を。

 この前やったし、焼くための準備はサクッと終わらせて、セルキーたちと魚介類の下拵えに専念。


「あ、今日は全面的に質問タイムで」


『はい!』


【マルエット】「販売増やしてください!!」

【ヴェネッサ】「次回の販売いつですか?」

【ツバイ】「リゲル君呼ばないの?」

【サブロック】「他の野菜も売って欲しい……」

 etcetc...


 質問のピックアップはミオンとヤタ先生がいい感じにしてくれるはず。

 セルキーの子たちに魚やエビの下処理を任せて、俺は捕れてたタコを解体でさばく。ぬめりも取れてるのがありがたい。

 タコ唐、タコマリネはみんなで食べるとして、タコわさはクレフォール(わさび)がキツいのでバーミリオンさん用かな。

 タコ焼きも作りたいんだけど、専用の鉄板作らないとだよな……


「焼き始めちゃってください。あ、貝類はそのまま載せちゃっていいんで」


「おう!」


 バーミリオンさんが何か手伝いたそうにしてるので、準備できたものからさっそく。

 エクリューバターとクルーぺソースも用意してあるので、バター醤油っぽいのもいけるはず。

 もちろん、レッペリン(コショウ)やキュミノン(クミン)パウダーも用意してある。


「ごは〜ん!」


 食欲をそそる香りが漂い始めると、白竜姫様がやってきた。

 ミオンの方はまだ質問を選んでるみたいなので、エルさんに先に食べちゃっていい旨を伝える。


「バーミリオンさんも、焼き上がったの食べちゃっていいっすよ」


「そ、そうか」


 エルさんが白竜姫様に焼き上がったのを取り分けてくれてるんだけど、それを見るバーミリオンさんの口が半開きで……


「ルピたちもトゥルーたちも食べ始めていいよ」


「ワフ〜」「「バウ!」」


「キュ〜♪」「「「キュ〜♪」」」


 こっちもタコ料理がほぼ完成。タコマリネとタコわさはあえるだけだし。

 タコ唐を揚げつつ、俺も食べはじめよう。


【ニクス】「日本酒欲しいねえ〜」

【ケネス】「絶対うまいやつ〜」

【クショー】「ぐぎぎぎぎ……」

 etcetc...


 タコ料理は酒飲みの人たちにクリティカルヒットしたっぽい?


『ショウ君。最初の質問です』


「りょ」


『次回の販売予定は何時ごろになりそうでしょうか?』


 次回かあ……

 今回の販売も抽選は明日らしいので、まだ終わったわけじゃないんだよな。


「厳密にいつからっていうのは考えてなくて、ぼんやりですけど月に一度ぐらいって考えてます」


 魔銀ミスリル鉱石の採掘スパンが1ヶ月だし、それに合わせてって感じかな。

 基本的には使いきれない分を本土に売るつもりだし、そろそろシャルたちの武器と防具を揃えてあげてもいいのかなと思ってるし。


『次回は9月末ごろでしょうか?』


「かな? まあ、ワールドクエストやってるみたいだし、そっちが落ち着いてからの方がいいかもね」


『そうですね』


 視聴者さんたちは、今回のワールドクエストの悪魔にまだ遭遇してない人が多いっぽいなあ。

 ただ、魔王国内から他へって話も聞いたし、そろそろやばいかも?


『次の質問です。スウィーちゃんの像を新しく作って販売してくれませんか?』


「んー、それはごめんなさい。次はトゥルーを作りたいし、パーンやシャル、レダ、ロイ、ラズも作りたいし……」


 スウィーの像、設置効果目的で欲しいっていうのも違うよなと。

 そういうわけで断ることになるんだけど、コメント欄は納得してくれてるっぽい。


『みんなの分を作ってからですね』


「だね。それが終わる頃には、もう誰か作れる人もいるんじゃないかと思うし」


 緑金鋼インゴットも売りに出すし、関連スキルも俺よりレベル高い人もいるはず。

 今後、そういう人も増えていくだろうし、頑張って欲しいところ。


『では、次の質問に行きますね。販売する品目を増やしたりはありますか?』


「えっと、ギリー・ドゥーたちが織ってくれた布は出そうかなと思ってます」


【ジューザ】「どれくらいの長さになりそう?」

【ガフガフ】「染めたスカーフも売って欲しい!」

【ロガッポ】「亜魔布はでますか!?」

【ナイトニ】「鑑定内容教えて〜」

 etcetc...


 草木染めした物やスカーフとかは売らないつもり。

 大丈夫だとは思うけど、ミオンが染めたやつでちゃんと効果も出てるので、妖精たちの服にしようと思ってるし。


「あとは何かあるかな?」


『お魚の干物なんかも要望としてありますね』


「干物ならいいかな。ただ、あんまり量は用意できないかも。みんな食べるし、俺も好きだしね」


 バーミリオンさんが帰る時にお酒だけじゃなくて、干物も持って帰ってもらうかな。

 アージェンタさんとアズールさんの分……は、別に用意してそれぞれに送ることにしよ。

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