第528話 島野菜のスーパー薬膳カレー
今回の依頼と販売を一通り発表し終わった。
コメント欄はみんな、どの抽選に応募すべきかみたいな話で盛り上がってるし、質問はちょっと後にして、今のうちにカレーを準備しよう。
「質問タイムの前にご飯にするよ」
『はい!』
カレーはすでに準備できてるのでナンを焼こう。
まあ、本格的な焼き方はわからないんで、窯に入れて焼くだけだけど。
【ハガユイ】「ピザパ?」
【ヒラリ】「何それ?」
【ブレッドン】「パン?」
【リーパ】「ナンなん?」
etcetc...
焼き上がる前に、カレーの方を温め直す。
「ルピ。スウィーと白竜姫様たち、呼んできて」
「ワフン」
スウィーたちは屋敷の中で遊んでるはずなので。
カレーの匂いがしたら、白竜姫様が飛んで来そうだけど。
『ショウ君。今日の料理を紹介してください』
「うん。今日は……カレーです」
【マスターシェフ】「<カレー!!??:5,000円>」
【ミナミルゲ】「ちょw 香辛料揃ったん???」
【ガーレソ】「<島カレー販売希望!:1,000円>」
【リーレーン】「超薬膳来た!!!」
etcetc...
コメント欄が落ち着くのを待ちつつ、焼き上がったナンを皿へと移す。
一応、説明しておかないとだと思うので、
「キュミノンシードはこの間見つけたやつで、カーメリーとシャンツィーはアズールさんのおかげで手に入ったものを、ギリー・ドゥーたちが栽培してくれたんで」
南の島でしか手に入らないカーメリーとシャンツィーだけど、その話は魔女ベルの配信で公表されてるし「アズールさんのおかげで」っていうのは嘘じゃない……
『その3つでカレーが作れるんですか?』
「一応ね。本当なら赤唐辛子とかカルダモンなんかもあるといいんだけど」
カレーのスパイスは本当にいろいろあるんだけど、ターメリック、クミン、コリアンダーでなんとかなる。
今回はレッペリン(コショウ)、ビリーフ(ローリエ)、ゼンジャー(しょうが)なんかも使ってて、なかなかの味に仕上がった。
『ショウ君。鑑定を』
「おっと、そうだった」
いつも忘れがちなんだよな。
料理も鑑定する癖をつけないと。
【(仮)ボア肉と野菜のカレー】
『ランジボアの肉と、さまざまな妖精が育てた野菜を使ったカレー。(解説修正、追記可能)
効能:STR・VIT上昇+9%(4時間)、抗毒Ⅲ(6時間)
料理名:(未定)、作成者:ショウ』
【フェル】「やばすぎるwww」
【ニュード】「抗毒Ⅲは初じゃない?」
【ティージョン】「STR・VIT上昇+9%が4時間もやらかし……」
【デイトロン】「<薬膳カレー代:10,000円>」
etcetc...
うん、まあ、すごいのはわかる。
この抗毒Ⅲがあったら、前に手こずったシェンネペンテスの魅了の匂いとかにも対抗できてたのかな?
バフついてる時間も長いし、この先、新しい場所に探索に行く前は、カレーを食べてからにしよう。
「ワフ〜」「〜〜〜♪」「ごは〜ん!」
ルピがスウィーと白竜姫様を連れてきてくれた。
後から来たエルさんが、白竜姫様用のお子様椅子を持ってきてくれている。
「いつもすまない」
「いえいえ。あ、椅子はこっちへお願いします」
あとは任せて、お皿にカレーをよそって並べる。
うん、いい香り……
「ワフ」「「バウ」」
ルピたちも待ちきれ無さそうにしてるので、お肉多めでよそってあげる。
ちなみに、スウィーたちにはスイーツナンってことで、ドライグレイプルを載せ、ルモネラジャムをかけたやつを用意した。
「じゃ、いただきます」
「いただきま〜す」「ワフ〜」「〜〜〜♪」
………
……
…
「そうですね。転売に関しては禁止とまでは言わないですけど、なんか常識の範囲を超えるような高値はさすがに……」
【ブシキド】「転売ヤー死すべし、慈悲はない!」
【マーシー】「多少は許せるが、法外なのはねー」
【デイトロン】「心配しなくても大丈夫^^」
【ハリスン】「そんなヤツいたら吊るされるぞ!?」
etcetc...
うん、まあ、視聴者さんたちの反応を見てると大丈夫そうかな?
買ったはいいけど、そのあとお金に困るとかもあるかもしれないから、転売禁止とまでは言いたくないんだよな。
ただ、今回の値付けは「安すぎ!」ということらしい。本土の値段の倍にしたけど、それでも希少性と品質を考えると全然とのこと。
次回はさらに倍の値段とか? うーん、お金の使い道に悩みそう……
「依頼と販売関連はそれくらいかな?」
『はい。では、次の質問です。今回のワールドクエストについて、何か情報ありませんか?』
「あー、役に立つかどうかはわからないけど、一応、アージェンタさんから少しだけ」
これに関してもベル部長やセスとも話してて、開始前に聞いてたことは話しちゃっていいかなと。
「ワールドクエストの前に、悪魔の一団が魔王国へ侵入したんじゃないかって話は、アージェンタさんから聞いてました。ただ、これ話しちゃっていいものなのかなって思って」
【ワショー】「ネタバレ回避ありがとー」
【カルセルン】「その後の話とかはどうです?」
【ベーショ】「聞いても困るやつだったか」
【スギコー】「本当かどうかわからんもんねえ」
etcetc...
その後の話は特に聞いてないんだよな。
ただ、こっちからあんまり聞いたりしないことは伝えておく。
「関係ないことに首を突っ込むのもどうかと思うんで」
『そうですね』
ちょっと冷たいかなと思ったけど、視聴者さんたちも納得してくれてるみたいで何より。
島に何かあったら、ルピたちやスウィーたち、それに白竜姫様たちに危険がってなるもんな。
「今後何か聞いた際は、伝えても良さそうなことは出していこうかと思ってます」
『なるほどです』
【オトトン】「島優先でええんやで」
【シューメイ】「依頼と販売増やしてくれると嬉しい!」
【ネルソン】「<ありがとう!:1,000円>」
【ブルーシャ】「癒しを提供してくれるだけでオッケーです。(´∀`*)」
etcetc...
ライブ終わったら、ちょっと連絡してみようかな?
いや、なんかあったら向こうから教えてくれるか……
『ショウ君。そろそろ時間ですけど……』
「りょ。えっと、ちょっと別のお願いがあるんですけど、公国の南でドラゴンが飛んでるのを見かけた人います?」
【フェムラ】「マ!?」
【ユカン】「最近、南側でちょっと噂になってるあれね」
【クサコロ】「死霊都市にずっといたから知らなかった」
【リーパ】「ショウ君の知り合いなん?」
etcetc...
やっぱり知ってる人もいるっぽい。
じゃあ、一応、話しておくかな……
「えっと、そのドラゴンなんですけど、アージェンタさんたちの知り合いっぽいので、刺激しないようお願いします。できれば、見かけた情報は死霊都市のゲイラさんか、アズールさんに伝えてもらえると」
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