第523話 注目の島商品ラインナップ

 昼のうちにギルドで出す次の依頼について相談。エルさんも交えて、おおまかなスケジュールを決めた。

 その後、俺、ルピ、スウィーはトゥルーやパーンに収穫物を売りに出す了解をもらいに。ミオンとシャルには、クロたちの了解をもらいに行ってもらった。


「ご飯にしましょうね」


「は〜い」


 最近は夜のログイン後に、そろってご飯を食べるのが定番。

 ちなみに、白竜姫様がお昼寝してる間は、レダとロイに番狼をお願いして、エルさんがシャルたちと狩りに出てくれたりしてる。


「「いただきます」」


「いただきま〜す」


「いただこう」


 フォレビットのソテー、グレイビーソースで。

 肉汁、グレイプルワイン、コハク粉で作ったんだけど、なかなかいい感じ。

 そういえば、カレーが作れる香辛料が揃ったし試してみたいところ。ライスはないので、ナンを作らないとだよな。


「おかわり〜」


「はぃ」


 白竜姫様、すごく食べるけど、どこに消えるんだろうな。

 俺、ミオン、エルさんは普通の量でお腹いっぱいに。


「デザートもありますからね」


「うん!」


「〜〜〜!?」


「スウィーの分もちゃんとあるから安心して」


 とろとろ干しパプを口いっぱいに食べながら、自分の分はちゃんとあるのかと主張しにくるスウィー。女王様どこいった。


「持ってきますね」


「手伝おう」


 子供っぽくはあるけど、ちゃんと綺麗に食べてる白竜姫様を眺めてると、不意にきっちりと口元を拭き直し、少し凛々しい目つきになった。


「エメラルディアの話はどうなったのかしら?」


「あ、今のところ続報はないです。俺の姉がその辺りにいるんですけど、何か伝えておきますか?」


 そう答えたところで、ミオンとエルさんが戻ってきた。

 二人とも白竜姫様が覚醒してることに気づいたみたいだけど、特に態度を変えることもないのがすごいよな。


「そうね。あの子はコミュニケーションに難のある子で、昔から引きこもりがちだったの。だから、無理に会おうとしない方がいいわ」


「……姉に言っておきます」


 まあ、そこは話しておけば逆に安心かな。いや、待て。


「確認なんですけど、エメラルディアさんって女性ですよね?」


「ええ、そうよ」


 なら安心。

 男だったら、マリー姉が「根性を叩き直す」とか言い出しそうだし。


「姫。エメラルディア様を竜の都に呼び戻さずとも良いのですか?」


「ええ、構わないわ。あの子もまだ本調子ではないでしょうし、無理をさせるつもりもないもの。アージェンタにもそう伝えておきなさい」


「はい」


 そっちは任せておくとして、こっちはセスに連絡して、マリー姉に伝えないとな。

 ミオンが頷いてくれてるので、今日終わったらベル部長も交えて話しておこう。


「アルテナちゃん、おかわりは?」


「いただくわ」


 覚醒してもそこはブレないんだよな。


 ………

 ……

 …


「ショウ君。依頼書の確認をお願いします」


「お、さんきゅ。やっぱ、ミオン、字も綺麗だよな」


「ぁぅ……」


 依頼書の作成はミオンに任せちゃって正解だったな。中身もわかりやすいし、字も綺麗だし。

 今回の依頼は販売も含むので、どれくらいの値段にするのかちょっと迷ったんだけど、その辺はベル部長とセスに相談した。


☆交換:オリジナル花瓶・植木鉢

 一人一個。陶芸スキルを持つ本人のみで銘入れ必須。

 交換品:酒類小さい1樽。指定の銘柄がない場合はワイン。

 依頼数上限:30


☆交換:ガラス瓶

 一人一瓶。割れてしまったものでも構いません。

 交換品:島産ドライフルーツ瓶詰めを同量。

 依頼数上限:30


☆販売:島産オリーブオイル

 セルキーたちが採集したオリーブから搾られたオイル。中瓶、約1リットル。

 販売価格:10,000アイリス

 販売数:10


☆販売:島産オーダプラ

 ウリシュクたちが栽培したオーダプラ。中サイズ20個入り。

 木箱にてお渡しします。(発芽の保証はいたしません)

 販売価格:5,000アイリス

 販売数:20


☆販売:島産キュミノンシード1袋

 ギリー・ドゥーたちが栽培したキュミノンの種。約100個入り。

 綿の小袋にてお渡しします。(発芽の保証はいたしません)

 販売価格:5,000アイリス

 販売数:20


☆販売:良質な重銀鋼インゴット

 紫鉱、鉄、魔銀ミスリルの合金インゴット。

 一人一本。複数人での共同購入は代表者が責任を持って分配してください。

 販売価格:2,000,000アイリス

 販売数:5


☆販売:良質な魔銀ミスリルインゴット

 魔銀ミスリル鉱石のインゴット。

 一人一本。複数人での共同購入は代表者が責任を持って分配してください。

 販売価格:3,000,000アイリス

 販売数:3


☆販売:良質な緑金鋼インゴット

 金、銀、魔銀ミスリルの合金インゴット。

 一人一本。複数人での共同購入は代表者が責任を持って分配してください。

 販売価格:5,000,000アイリス

 販売数:2


 食料品とかは、前にミオンとデパ地下に行った時に「有機野菜って高いよなー」ってぐらいの値段だと思うんだけど、インゴットの値段がすごいことに。

 ベル部長やセスの話だと、この魔銀ミスリルの値段、本土の倍ぐらいの設定らしい。それにしても、


魔銀ミスリルがこんなに高価な物だと思わなかったなあ」


「一本のインゴットにするのに、1ヶ月はかかるそうですし、ショウ君のインゴットはどれも良質ですから」


 本土だとNPCに精錬を任せることができるんだけど、それだと絶対に良質にならないんだとか。

 現状、良質なインゴットを作れるのは俺と、ごく一部の普通の炉から良質のインゴットを作れる鍛治師だけ。


「兄上が簡単に作れるからと安売りしてしまうと、要らぬところから不興を買うことになるぞ?」


 セスにそう言われてしまったので、まあ、この値段でもしょうがないかなと。

 で、この値段で果たして売れるのかっていうのもあるんだけど、


「絶対に争奪戦になるから、その時は抽選とはっきり言っておくこと」


 とベル部長に釘を刺された。

 あとは法外な値段での転売が判明したら、今後の出禁も明言しとかないとだよな……

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