第497話 終始やらかしお蔵出し
鑑定結果に盛り上がるコメント欄を見つつ、リゲルのたてがみを撫でる。
アトたちを紹介した時もそうだったけど、1000円単位の投げ銭がいくつも流れていくのを見ると……、馬の目って思ってるよりずっとくりっとしてて可愛いよな。
『えっと、ショウ君は乗馬のスキルを取ったんですよね』
「あ、うん。乗せてくれるっていうし、馬具を作るときに乗馬スキルあった方がいいもの作れそうだし」
このあたりの『作るもののスキルがあった方がいい』説は本土でも一般的なんだけど、そのためにSPを使うのも悩ましいみたいな感じだそうで。
【ユイオン】「お散歩コースとかあるの?」
【ギガノト】「乗ってみて!」
【クショー】「SP余ってるのうらやましい……」
【オイップル】「馬具の紹介たのんます!」
etcetc...
「えーっと、今のところは、この屋敷の周りと教会までの道を往復するぐらいかな。馬具はもうちょっといいものが作れると良かったんだけど」
で、上限突破すると、騎乗スキルが取れるんだとか。騎乗スキルだと、それなりの体格の動物ならだいたいなんでも乗れるようになるらしい。
「乗馬の上位スキルが騎乗って、なんか被ってません?」
【オトトン】「乗馬は基本ってことやな!w」
【マーシー】「前にモスベアに乗ってる人見たよ〜」
【メイケ】「熊に乗ってる人いるよね」
【フェル】「ケンタな人に乗れたりもするぞw」
etcetc...
テイム可能なモンスターじゃない熊もいるんだ……
ケンタウロスな人ってプレイヤー? NPC? 乗馬で良さそうな気もするけど。
『北の森の奥にも一緒に行くんでしょうか?』
「そのつもり。リゲルがいた場所だしね」
実際に行く時は、ミオンにリゲルに乗ってもらう方がいいかなとか考えてたり。
俺とルピ、レダ、ロイは斥候の役割もあるし。
「あ、そうだ。聞きたいことがあって、荷馬車って作った人います?」
南側をぐるっと回ったりするのに、リゲルが引ける荷車があるといいなあと。
古代遺跡も階段以外なら通れそうだし、ただ荷台があるぐらいで十分だし。
今はシャルやパーンたちが、俺が作った一輪車をいろいろ活用してくれてるけど、それでも足りないっぽいんだよな。
【ウッディ】「俺は店売りのやつかな。結構高かった」
【ディアッシュ】「共和国に作れる人いたよね?」
【カクファイト】「サスとかないやつなら、大工あれば作れるんだけどね」
【ストライ】「荷運びだけなら、荷物袋を両サイドにつける方が楽よ」
etcetc...
「あー、荷物袋でもいいのか」
『それならすぐに作れそうですね』
「そうだね。籠を編めばすぐだろうし」
板バネのサスペンションまでついた馬車となると、貴族を乗せるような豪華なやつとかもあるらしいけど、500万アイリスはくだらないんだとか。
ちなみに場所によっては、エクリューも荷運びに使われたりするらしい。
『リゲル君みたいな、お馬さんの幻獣はいるんでしょうか?』
【リーパ】「ペガサスおるよ」
【ペザンテ】「帝国の北、白竜山脈のあたりにペガサス飛んでる」
【ラクカジ】「ペガサス。テイムできたって人はいないみたいだけど」
【クラゲリオン】「魔王国の北にバイコーンが出るって話は聞いたなあ」
etcetc...
ペガサスをテイムできて騎乗できれば、空を飛んで移動できるんじゃって話。
でも、かなり警戒心が強くて、テイムできた人もまだいないんだとか……
『ショウ君ならテイムできるかもですね』
「うーん、どうかなあ。リゲルは最初から懐いてくれてたし」
「ブルルン」
リゲルはレッドマルスが好きみたいで、俺がインベントリから出すと目がキラキラするんだよな。
スウィーたちも好きだし、アージェンタさんに言って、追加をもらわないと。
馬以外の幻獣や、妖精についての話になったんだけど、俺とは別の無人島スタートをした人がエサソンっていう妖精と知り合った話とか。
『スウィーちゃんと同じぐらいの大きさだそうです』
「へー……」
スウィーに知ってるかどうか聞いてみようかと思ったけど、ここで「知ってる」って顔されると、それはそれで「なんで?」って話になりそうだよな。
「さて、ちょっと片付けしつつ、また質問があればでいいかな?」
『はい!』
久々のライブだからか、質問がすごい勢いで流れていく。
洗い物しながらは読むのは無理だしミオンに任せよう。ヤタ先生もいてくれるはずだし。
『最初の質問です。ギルドの依頼で受け取った紫鋼鉱石はどうなりましたか?』
「あ、そうだった! 紫鋼インゴットにするところまではやったんだけど、重銀鋼インゴットにする前で止まってます。ごめんなさい……」
せっかく急いでもらったのに申し訳ない。
【イザヨイ】「重銀鋼って何!?」
【ムシンコ】「ええんやで〜」
【ガフガフ】「どんなの作るか聞かせて欲しい!」
【ニュード】「錬金術スキルで、もっと謎金属作れない?」
etcetc...
あ、重銀鋼のことって話してなかったっけ?
紫鋼8、鉄1、
錬金術スキル、本土ではまだ本が見つかってないらしいので、やっぱり書き写したものを報酬にするべきかな……
『作るのは今のと同じですか?』
「うん。この剣鉈、やっぱり使い慣れてるからね。でも、STRが結構上がってるし、もっと重くする予定」
重くするって話は前もしたかも?
まあまあ、次のライブまでには作って披露するってことで。それまでに作ることにしよう。
他にも、受け取った楽譜はどうだったかとか、水晶原石はどう加工するのかとか、次のギルド依頼を出さないのかとか。
あれこれ聞かれたんだけど、いろいろあってまだ手をつけられてないのが申し訳ない感じ。たまってるタスクを消化しないと……
『ショウ君。そろそろ時間なのでピアノを』
「りょ。えっと、アズールさんが運んできてくれたピアノ、応接室に置いたので」
洗い物は一通り終わったので、片付けは後でってことで屋敷へと戻る。
今日はピアノとミオンの歌がメインなので、スウィーたちには悪いけど、聞いてもらうだけでお願いした。
「一応、運び込んだ時に軽く弾いてみて、問題ないのは確認済みです」
応接室まで来て、ピアノをお披露目。
椅子が不揃いなのは勘弁してもらおう。というか、別に依頼出した方がいいかな、これ。
「じゃ、ミオンに歌ってもらって終わりにします。俺の演奏は自動演奏なんで、そっちは期待しないでもらえると」
【ヤアー】「やっぱりお屋敷にあると映えるねえ」
【ルマミール】「アルバムに収録して欲しいですね」
【ミーコ】「ショウ君が弾いて、ミオンちゃんが歌うことに意味がある!」
【リソッス】「今日の歌はなんでしょう?」
etcetc...
ミオンが歌えば、どれもすごくいい曲なのは間違い無いんだけど、個人的には<魂は女神の元へ>が選ばれるといいなあ……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます