第427話 最初の依頼の報酬は?
『それでは、島に繋ぎますね。ショウ君、ルピちゃん、島のみんな〜』
「ようこそ、ミオン」
「ワフ〜」「〜〜〜♪」「リュ〜」「クル〜」「ニャ〜」
今日のスタートは屋敷の裏庭。
綺麗に整備された庭にみんなが集まっていているが、クロたちギリー・ドゥー三姉妹はいない。
種族的にも(?)あまり目立ちたくないみたいだったし、懐いてるミオンがいないのもあるし、まあ、そのうち機会があればかな?
『では、今日の予定を教えてください』
「うん。えっと、プレイヤーズギルド『ティル・ナ・ノーグ』を設立しました。今日は設立パーティーってことで」
【ラカン】「早い!」
【デイトロン】「<祝! ギルド設立!:10,000円>」
【ジョンアフケ】「<おめでと〜!:1,000円>」
【レジェリー】「クエスト! クエスト!」
etcetc...
コメント欄に流れる投げ銭にお礼を言いつつ、簡単にギルドの説明を。
ギルドマスターは俺。竜族に後ろ盾になってもらったこと。死霊都市の方に出張所を出す予定とかを。
で、その話をしてる間、テーブルに置かれている料理やデザートに釘付けになっているスウィーたち……
「えーっと、細かい部分は後でってことで、先にご飯にしてもいいですか?」
『そうですね。みんな待ってますし、いいでしょうか?』
コメント欄にオッケーが流れたので、さっそくみんなでいただきますを。
「じゃ、いただきまーす!」
その掛け声で一斉に食べ始める。
美味しそうなみんなの顔を見てホッと一安心。
『ショウ君。今日のメニューを教えてください』
「おっけ」
今日はそんなに凝った料理を作ってなくて、メインはサンドイッチ。オープンサンドっていう方が正しいのかな。
グレイプルからの天然酵母を使ったパンを作って、そこに肉や野菜、果物のジャムなんかでバリエーションを増やした感じ。
『パンもいろいろバリエーションがありますよね?』
「レーズンとオーカーナッツを練り込んであるだけだけどね」
【カリン】「レーズンパン美味しいよね〜」
【ライジング】「IROのパン、マジうまい」
【ギガノト】「鑑定して欲しい!」
【ノンノンノ】「ナッツ入り食べたい……」
etcetc...
コメント欄に気づいて、おかわりにと思っていたパンを取り出して鑑定。
どのパンもウリシュクが育てたコハク(小麦)のおかげか、VIT+7%(3時間)のバフが付いている。レーズンパンとナッツパンにはINT+2%も。
『すごいです!』
ステータスの上昇値は薬膳スキルのおかげで、持続時間の増加は素材の良さらしい。
うちは妖精たちが作ってくれてるせいなんだろうなあと。
「〜〜〜♪」
「はいはい。いつものデザートもね」
お手軽に作れるとろとろ干しパプ、この前作ったマローネきんとん、ゼンジャークッキーを木皿に盛ると、フェアリーたちとカーバンクルたちが集まる。
ルピたちにはグレイディアのローストを追加かな?
『ショウ君。そろそろギルドの詳しい話をいいですか?』
「りょ。えーっと、何から話そうかな?」
『まずは最初の依頼の話をお願いします』
あ、そうだった。
前にその話はしたけど、一応もう一回説明しておこう。
「えーっと、屋敷にあった壊れたピアノ。アージェンタさんの知り合いのドワーフが直せるかもって話だったんだけど、調律ができないから無理って話でした」
『調律は専門の方じゃないとできないですよね』
「当然、俺も無理。演奏も音ゲーになってるからできる感じだし」
【リーパ】「ドワーフでもあかんか」
【マットル】「リアル専門家ならワンチャン?」
【アンチェ】「音楽学スキルをゲットするといいよ」
【ノサン】「めっちゃ専門知識必要じゃん」
etcetc...
コメント欄に詳しい人がいて、演奏スキルに加えて、音楽学スキルを覚えるといいらしい。
両方のスキルレベルが5になると、パッシブアーツの絶対音感を獲得するので、その状態なら聞いた音の音階(?)がわかるようになるとのこと。
「なるほど。でも、学問系スキルってことは……」
『本が必要なんですよね?』
コメント欄で音楽学スキルが取れる本についても教えてくれて、大きな教会、各国首都にあるようなとこなら置いてあって読めるらしい。(有料)
俺の中だと、大聖堂にパイプオルガンが置いてあるイメージなんだけど、割と間違ってないんだとか。
それはいいとして、
「最初の依頼はそのピアノの修理って話になります。で、報酬はどうしようかなって悩んでて」
『島の何かでしょうか?』
【モルト】「やりたいけどスキルないぞい……」
【ニュード】「難易度がエグいんだけど!」
【モウチョー】「新しいのじゃダメ?」
【ディソル】「失敗して壊したらと思うとなあ」
etcetc...
流れるコメントを見てて「ん?」ってなったのが、そのピアノだけパクられたらどうするのって話。
「依頼受けてピアノだけ持っていかれる……壊れてるやつ欲しいかな?」
『この島にあったピアノというだけで価値がありますから!』
「そんなもんなの?」
反応を見ると……ミオンの方が正しいらしい。
普通はそういう不心得者が出ても、冒険者ギルドとか他のあちこちの公共ギルドに話が回って……なるほど。
「うちは竜族に後ろ盾になってもらってるけど、同じようなことになるのかな?」
『どうなんでしょうか?』
【オトトン】「不届もんはワイらが処すから大丈夫やで?w」
【シュンディ】「まあ、何かあったらねえ」
【ドライチサン】「将来アプデで出るだろうとこと揉めるとかある?」
【モグリン】「でも、無敵攻撃されるとじゃんねえ」
etcetc...
なんか物騒な話になってて若干引く。
揉め事の種にはならないで欲しいんだよな。
「そのあたりはちょっとアージェンタさんと話してみます。まあ、現実的な線だと、死霊都市の指定の場所に通いで来てもらって、とかかな」
『なるほど。それがいいかもですね』
「結構、条件厳しくなりそうだけど、それでも良ければで」
『詳しい条件が決まったら、動画でお知らせしましょう』
「りょ。後は報酬なんだけど、うちはお金は出せないので、何か欲しいものとか挙げてもらえると」
そう言った瞬間、すごい勢いでコメントが流れ始めたんだけど、これ、どうしよ?
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