第325話 ライブのまにまに
いろんなソースでロブヌスを堪能し、新作のパププリンをお披露目。
これは本土でも既に流行ってるスイーツだそうで、生クリームを乗せたりするのも美味しいらしい。
白竜姫様が好きそうだし、今度、手紙出す時にアージェンタさんに伝えておこう。
「じゃ、そろそろ質問タイムかな?」
『はい!』
コメント欄が滝のように流れていくんだけど……一番多いのはやっぱりワールドクエストの貢献度ランキングの順位。
『では、最初の質問はワールドクエストの順位ですが、いいでしょうか?』
「うん。えーっと……1位でした」
【シューメイ】「<1位おめ!:3,000円>」
【カロナル】「<知ってた:500円>」
【デイトロン】「<祝1位!:10,000円>」
【カティン】「<さすショウ!:1,000円>」
etcetc...
うわーうわーうわー……
『あ、ありがとうございます』
「えっと、ありがとうございます。正直、なんで俺がって感じなんですけど……」
コメント欄では、翡翠の女神像の貢献が大きかったんじゃっていう話がほとんどかな?
俺自身、あそこまで効果が出るとは思ってなかったし、他と同じぐらいになってくれた方が良かったんだけど……
『その翡翠の女神像ですけど』
「うん。あれはアージェンタさんに頼まれたから」
このやりとりは予定通り。
で、その翡翠の女神像を見たいという話になったんだけど、そこはやっぱり実物を見てもらう方がいいと思いますということで……
『ドラゴンさんたちにお願いする感じでしょうか?』
「そうだね。アージェンタさんたちは、厄災がまた起きないようにってことで、あそこにいるって聞いてるし」
それに関しては視聴者さんたちも知ってるみたいで、悪魔がプレイヤーに擬態してることもあるから厳しいんじゃないかっていう意見も。
そういえば、ナットに化けてたりしたもんなあと。
「一応、アージェンタさんに相談はしてみます。かなり厳しくチェックされてやっとぐらいになるかもだけど……」
竜貨を持ってることは大前提になりそうだし、一度にたくさんはダメだろうから1パーティごととか?
バーミリオンさんにワインを渡せば……やめとこう。なんかもう、やらかしそうな予感しかない。俺が言えたことじゃないけど。
『それでは次の質問はワールドクエスト以外にしましょうか』
「りょ」
これも、あんまりつっこまれるとボロが出かねないので、早めに切り上げる作戦。
【ドンデン】「PVの件!」
【フリテー】「何かやばいものもらってない?」
【サテナー】「女王様歌って〜♪」
【セイキ】「白竜姫様また来てくれたりとかでも!」
etcetc...
『PVのお話ですけど……』
「あー、正直、めっちゃ恥ずかしくて黙ってました。ごめんなさい」
【ギュイドン】「わかりみ! 恥ずかしいよな!」
【シェント】「アシストオン? オフ?」
【ガーレソ】「演奏スキル流行りそう」
【ダモシ】「選曲もおまかせ?」
etcetc...
「アシストは当然っていうかオンです。リアルだと全くダメだけど、音ゲーになってくれれば、なんとかって感じすね」
『選曲はアシストで選ばれてる感じでしたよね?』
「うん。使い方がいまいちわかってないし、まだスキルレベルも3なんで」
その話にいろいろとフォローが入るんだけど、どうやらスキルレベル6になると、アシストオンでも選曲できるようになるらしい。
その選曲も、本人の技量やその場に合ったものがリストアップされるので、ずらーっと並ぶようなことはないんだとか。
「アシストオフだと好き勝手に演奏できるんです?」
【ピューレ】「できるよー」
【レーメンスキー】「ただし、物によっては配信不可になるw」
【ニクス】「ライブならアシストはオンでオネシャス!」
【ドウミン】「日本の曲ならほぼ大丈夫だけどねー」
etcetc...
「へー……」
『なるほどです』
楽曲は権利関係でいろいろ面倒なことがあるらしく、何フレーズか演奏したところで、権利で揉めそうな曲はライブが停止になるらしい。
「まあ、アシストオフにすることはないかな……」
『そういえばショウ君。ドラゴンさんから楽譜をもらってましたよね?』
「あー、うん」
【ロッサン】「ちょっw」
【サブロック】「うらやましい……」
【ヨンロー】「ゲーム内の楽譜ってことは権利関係もクリアっぽいし」
【デンガナー】「けど、アシストオフは無理やわ」
etcetc...
もらって、そのまま山小屋の方に置いてきちゃったな。
魔導線の本、基礎錬金術が優先だったし、服飾の本ももらったし。服の方はとりあえずミオンの件がひと段落するまでは伏せておくとして、
「もらった時に、ユニークアイテムじゃないことは確認してるんで、皆さんもそのうち手に入るんじゃないかと」
それだけは伝えておかないと。現物は今持ってないけど、確か『名曲楽譜集〜2〜』ってタイトルだったかな。
【エネルジコ】「ありがたい!」
【イザヨイ】「死霊都市とか探せばあるかな?」
【ペザンテ】「てか、それの1は普通に売ってる」
【スピリトーゾ】「5は王国にあるぞ〜」
etcetc...
『あ、みなさんも手に入れられる本なんですね』
「みたいだね。なら、気にする必要もなかったか」
アージェンタさんが送って来る物って「え? こんなのもらっていいの?」ってのが結構あるからなあ。名も無き女神像とか油断してたらキーアイテムだったし……
ただ、視聴者の人たちは、それに関しては気にしない方がいいという意見も多い。もらえるものはもらっとけ的な。
そのあとは、割と当たり障りのない質問をメインに。
最近どういうことをしてるかとかなんだけど、月曜の農作業、火曜の狩猟採集、それ以外の日は思いついたことを適当にっていう話。
教会の外というか、次のエリアにもそろそろ行こうかなという話もして、次のライブはひょっとしたらそれかなとか。
『ショウ君。そろそろ時間です』
「りょ。じゃ、リクエストもあったし、最後はみんなで歌って終わりでいいかな?」
『は、はい!』
ミオンもさすがにちょっと緊張してるかな。当然、俺もなんだけど、とりあえず前と同じ曲が出てくれるといいなあ。
インベントリから魔導神楽笛を取り出してアシストをオン。選曲を待つことしばし。
スウィーとフェアリーズ、トゥルーとセルキーたちが集まり始め、演奏開始をキラキラした目で待ってくれている。
【古代民謡<波のまにまに>が選曲されました】
良かった。同じ曲なら大丈夫。
あとは頑張って、フルコンしたいところ……
<2人ともリラックスですよー。楽しむのが第一ですからねー>
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